菅新政権の誕生と今後注視しておくべきポイント
大方の事前予想どおりに菅官房長官が自民党総裁に就任が決まり、新しい政策への期待が膨らむとともにアベノミクスではかなわなかった成長戦略、行政の縦割りを打破することができるかどうか、これは非常に興味深いところです。
菅氏のパワーワードでもある「役所・官僚の縦割りをぶち壊す」というのはつまり、既得権益にメスを入れられるかどうかがカギとなります。
まるでTBSドラマ『半沢直樹』のように見所は多いわけですが、実際に霞ヶ関を革新するのは一筋縄ではいかないでしょう。
とくに先日の消費増税に対する言及などを見ましても、財務省にはむしろ取り込まれた感があり、表面上は違くとも下部組織の金融庁がらみで地銀の再編などを政策論争に持ち出してきたところなんかも、う~ん・・・行政改革は難しそうな印象ですね。
それよりもマーケットの話題をさらったのはソフトバンクG(9984)で、以前買収した英アームを米エヌビディアに売却するとの報道で急騰、さらにMBO観測なども上がって思惑が交錯する材料となっています。
株価は一時10%超の2ケタ上昇となり、指数寄与度の大きさから日経平均を100円以上も押し上げる要因にもなりました。
ある意味、日経平均はソフトバンクGの上昇が無ければ小幅高程度だったと言えますが、本日はTOPIX優位の展開からも日経平均採用銘柄以外はバリュー株中心に循環物色で全体を底上げしたとみることができるでしょう。
自民党総裁選の通過待ちだった側面は大いにあるかと思いますが、売買代金もそれなりに膨らんで日経平均・TOPIXともにコロナショック後の戻り高値を更新しました。
また、相場全体ではすでに9/4前後から大きな潮目の変化は生じている中、9月前半はリスク資産のサイクル上の高値が示現するというのはその通りになっていますので、次は今週をメドに大きな転換があるのかどうか注視しておく必要があります。
上述の内容とあわせて、今回の自民党総裁が無事に決まってもまたすぐに解散総選挙が10月にも行われるとの一部観測も出てきていますから、仮に菅官房長官が新総理に就いたとしても“スガノミクス”に過大な期待を寄せるのは控えておくのが無難でしょう。
地銀株などの上昇はあくまでも思惑的なもので、初動では良いですがいつまでも引っ張るのは得策ではないでしょう。それより何度も言うようですが、株価上昇にとって不可欠な要素になっているのが『1.新型コロナ対策の金融政策、財政政策』と『2.新型コロナワクチン』です。
今後は菅新政権の下で早速第3次補正予算が組まれるのかどうかに注目しておくべきです。これは株価上昇が意図的に演出されたものである以上、今回出馬した3氏のうち誰が新総理になろうともこのマネーの土台が必要なのです。
今秋以降で大事になことは、今の上昇相場の持続力といった意味でも、米国の新型コロナ追加支援策のゆくえとともに、この日本の追加財政政策の有る無しで相場の景色はガラリと一変します。
もちろん今週の米FRB、日銀、英BOEそれぞれの中央銀行がマーケットフレンドリーな金融政策を採るのかどうか、もし見送られた場合にはそれなりの反動を覚悟し、催促相場に備えなければならなくなるでしょう。
≪加藤コラム内でご紹介の銘柄≫
◆電通グループ(4324)[サービス]
4/24ご紹介から株価は60%の上昇。
政治には外せない思惑株としての側面あり。
戻り高値を更新して動意含みの推移。
≪あすなろ単発スポット銘柄の動向≫
★加藤あきらのゴールドメソッド銘柄(****)
銘柄公開後の高値を更新、上昇率は1.9倍に。
先週からさらに続伸で、まもなく第3利確ポイント目前。
ただし連休前には手仕舞い売りのフォロー予定。
【 相 場 の 格 言 】
『悲観の極みは最高の買い時であり 、楽観の極みは最高の売り時である』
(ジョン・テンプルトン)
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆者:加藤あきら
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