バリュー株物色を背景に出直り期待
苛性ソーダや塩化ビニルなどの化成品が主力だが、多結晶シリコンなどの電子材料やセメント、医薬品原薬や中間体などのファインケミカルなど手がける分野は多岐にわたる。国産ナフサ価格下落に伴う石化製品の軟化に対し、半導体用多結晶シリコンの増収が補う収益構造となっている。同社はポリシリコンのトップメーカーで3次元NAND型の普及とともに、高純度なポリシリコンで優位性を持っている。
業績面においては7/28に第1Q決算発表を行い、売上高は7.6%減収、営業利益は5.3%減収だったが、営業外損益の改善で経常利益は6.0%増益で着地。依然として化成品の落ち込みは続いた一方、セメントは利益改善が顕著となった。原燃料コストの減少に伴い利益水準は回復に向かいつつあり、主力の化成品事業の復調が今後の業績を押し上げる要因になりそう。
株価は3/19に安値1617円をつけて5月以降は徐々に回復基調へと転じ、200日移動平均線を回復。中段保ち合いを続けながら上記1Q決算発表を迎え、直後の反応は上振れたが戻り売りに押されている。足元では需給を整理しながら再び動意づいてきており、バリュー株を見直す流れの中で出直り期待が高まっている。
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