内需株の一角にまとまった売りも景気敏感株は底堅さを発揮
朝方は日本株への影響が懸念された中で下げ渋り、日経500などは一時プラス転換までしましたが、ダウ先物の戻りが縮小するにしたがい再び売り優勢に転じました。
東証1部の出来高上位銘柄には東京電力(9501)が▲5%近い下げで食い込み、他に下落が目立ったのは京浜急行電鉄(9006)の▲4.8%、東日本旅客鉄道(9020)の▲4.6%、阪急阪神HD(9042)の▲4.3%といった電鉄株、そしてJフロントリテイリング(3086)▲4.6%や高島屋(8233)▲4.6%、三越伊勢丹HD(3099)▲4.5%といった百貨店株でした。
この辺の内需株は本日の値上がりセクタートップが小売業であった一方、その中で百貨店などはグループでごそっとまとまって売られており、これは個人投資家の動きとは到底思えません。
おそらくは機関投資家が何らかの理由でポジション調整に動いたためであると推察できますが、顔ぶれを見る限り極端に内需系に偏っています。
これはまもなくやってくる決算への一時的な備えなのか、あるいはGotoキャンペーンを含めた国内消費の回復動向が期待外れなのか、最悪なのは徐々に期待が高まってきつつある追加経済対策とくに特別定額給付金のゆくえについて米国のように頓挫しかねない状況なのか、真相はよく分かりません。
また10万円、15万円支給されるかどうかはともかくとして、財政出動による景気刺激の流れが継続しているという雰囲気が投資家のセンチメントにおいてとくに重要です。
ただ直近で始まっている米国企業の決算は悪いものでは決してなく、S&P500を構成する企業に関するアナリスト予想ベースでは、4-6月期の業績と比べると7-9月期は+74%とかなり急改善が見込まれています。
9月初めの段階では米国株が堅調であったことをふまえると強気予想に傾いている可能性はありますが、多少割り引いて考えてもこれは明らかに良好な数値と捉えることができます。
実際に今週そして来週と米国企業の決算はピークを迎えてきますが、ここで決算内容をふまえて強い動きが出てくるようだと年末に向けての上昇に期待が持てるようになります。
仮に米国の追加経済対策がなかなか成立せずとも、企業業績のミクロがマクロ環境の不透明感を補って余りあるものであれば、投資家が再び上値を買っていく大義名分が得られるようになるからです。
今月も下旬にさしかかってきたところで、来週には菅首相が臨時国会での所信表明演説を行う予定となっています。
本日の日経新聞にもありましたが、もし海外勢がこれを評価することとあわせて日本株を再評価してくる可能性があるとすれば、世界の景気敏感株と言われる日本株の中でもシクリカル系の銘柄を中心に買ってくるはずです。
最近の当コラムでも素材系のセクターから銘柄をピックアップすることも多かったですが、化学や鉄鋼、金属、非鉄金属、ガラス・土石、繊維といった業種に属する銘柄に目を向けておくとよいでしょう。
目先は決算の内容、その前後における資金の出入りを見極めておきつつ、本格買いのタイミングを計っていきましょう。
≪加藤コラム内でご紹介の銘柄≫
◆ツガミ(6101)[機械]
6/19ご紹介から65%上昇、直近10/13ご紹介からも10%上昇。
10/16に業績上方修正を発表して一段高。
中期上昇トレンドに短期勢も加わり出来高も増加。
≪あすなろ単発スポット銘柄の動向≫
★あすなろ創業祭2020[金星銘柄](****)
公開後の高値更新で46%上昇、第3利確ポイントが視野。
業績拡大期待は継続で、チャートもまさに美脚。
電子・半導体向け物流に強みを持ち、上値余地も十分。
【 相 場 の 格 言 】
『悲観の極みは最高の買い時であり 、楽観の極みは最高の売り時である』
(ジョン・テンプルトン)
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
東京電力(9501)
京浜急行電鉄(9006)
阪急阪神HD(9042)
Jフロントリテイリング(3086)
高島屋(8233)
執筆者:加藤あきら
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