動意含みの注目バリュー株、脱炭素関連材料に一段高期待
主に船舶用エンジンを手掛けている企業。中期経営計画では今世紀中に温室効果ガス排出ゼロを目指しており、環境負荷の低減を図る製品のラインナップが充実している。例えば液体燃料とガス燃料双方を切り替えて運転できる「デュアルフューエルエンジン」はガスモード運転において従来機関比で窒素酸化物を約80%カットできる。直近では2020年10月28日竣工のLNG燃料自動車船「SAKURA LEADER」において同機関が搭載されている。同燃料船は、輸送単位あたりの二酸化炭素排出量を約40%改善、窒素酸化物を約86%削減可能な次世代環境対応船として注目されている。
1/27発表の3Q決算(累計)では、売上高が前年同期比6.8%減の約384億円、営業利益が同77.1%減の約1億円と前期比で営業利益が大きく落ち込んだが中間期の赤字から黒字に転換している。全体的に内燃機関部門では機関売上が向上しているものの、新型コロナウイルス感染拡大による海上荷動きの停滞や移動制限の影響によりメンテナンス関連の売上が減少している模様。一方で主力である舶用機関関連において、防衛省向けの売上が営業利益に寄与するなど、業績回復の本格化に期待が持てそう。
株価はコロナショック時の昨年4/3に安値350円まで売られたが、5/21に自社株買いを実施すると発表されたことにより動意付き、6/3には高値475円まで切り返す場面があった。しかし、戻りが鈍くその後は400円~430円のレンジでもみ合い相場が続いていた。足元では2月頃には200日移動平均線を突破しており、これを皮切りに徐々に下値を切り上げ上放れ。バリュエーションはPBR0.4倍台と水準訂正の余地もあり、テーマ性も内包していることから引き続き強い相場展開が期待できそうだ。
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