シクリカル⇒機械株⇒工作機械⇒ツガミに注目してます
本日のコラムでは、今年に入る頃くらいから市場で話題となる機会が多くなった機械セクター、中でも工作機械メーカー、その代表格のひとつであるツガミ(6101)に注目してみます。
スマホや自動車向けに小型自動旋盤を手がける同社は、特に中国向けに強いとされ、21.3月期の3Q時点で中国向け売上比率が7割に近かった事が観測されております。
直近の数か月で公表された、日本工作機械工業会による工作機械受注額・速報値を振り返ってみます。
・3月9日発表・2月の工作機械受注額・速報値
前年同月比36.7%増の1055億5300万円と大幅な伸びとなった。
設備投資需要の回復が好感される格好で、受注金額は好不況ラインと呼ばれる1000億円 を上回った。
特に、中国向け需要の拡大などに牽引されており外需は同66%増。
◆2021年2月分受注確報
・4月12日発表・3月の工作機械受注額・速報値は
前年同月比で65%増の1287億円に拡大し、2年ぶりの高水準となった。
半導体製造装置などIT分野の設備投資や自動車向けなどに、工作機械の需要が強い状況 が続いている。
3月は外需が前年同月比2倍の872億円、内需も前年同月比で18.7%増の406億円と2年4か 月ぶりのプラスに転じた。
◆2021年3月分受注確報
ここで注目したいのは、2月と3月の単純比較では、好調の続く外需の伸びはさらに加速し、かつ、内需も2年4か月ぶりに前年同月比でプラスに転じている点です。
冒頭にご紹介しましたとおり、同社は中国向けの売上比率が高いので、内需の改善が
そのまま同社の業績に大きなインパクトを与えるものとは思えませんが、外需の伸びが加速している点は大いに注目したいところです。
次に目線を変えて、株価のバリュエーションについて考察してみます。
工作機械関連銘柄として、しばしば引き合いに出される、オークマ(6103)と牧野フライス(6135)と比較してみましょう。
オークマのPERは直近で112.45倍、過去3年間では11倍~18倍という期間が長かったものの、直近の1年間は100倍超という水準での推移です。
一方で牧野フライスは21.3月期が赤字決算見込みですのでPER算定ができませんが、
こちらも業績のブレが大きい為、妥当なバリュエーション算定には無理があるよう思われます。
ツガミも、オークマも、牧野フライスも、機械株全般に関して認識されている点は、機械株セクターは「シクリカル株」、つまり景気変動の影響を受けやすい、「景気敏感株」と位置付けられる事が一般的で、バリュエーションに注目する事よりも、むしろ、モメンタムに着目する事の方が妥当かと思われます。
しかしながら、そんな機械株の中でもツガミは、そこそこバリュエーション算定がワークする(有効である)企業として、市場関係者の間で認識されているようです。
過去1年間のPERは23倍~42倍程度、中心値は30倍という「トレンド」を見て取れます。
会社四季報ベースの予想では今期(22.3月期)の予想EPSは117.9円。
PER20倍でも理論株価は2,358円、30倍なら3,537円、40倍なら4,716円です。
対して株価は、1月29日の高値1899円が上場来高値である為か、足元で1800円から上がやや重い印象です。
1900円を上抜ければ、株価上昇に拍車がかかると見ています。。。。
最後にいつもどおり、大量保有状況も確認しておきます。
2月22日:アセットマネジメントOne 4.96⇒5.84% 増加 3,211,800株
2月5日:三井住友DSアセットマネジメント 4.77⇒3.51% 減少 1,930,700株
なお、他に工作機械関連銘柄としては下記4つが一般的に知られるところかと存じます。
(順不同)
芝浦機械(6104)
ソディック(6143)
アマダ(6113)
アイダエンジニアリング(6118)
執筆:木村泰章
【紹介銘柄】
オークマ(6103)
芝浦機械(6104)
アマダ(6113)
アイダエンジニアリング(6118)
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