株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2021-04-30 17:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

ソニーグループの決算後の株価に思う

皆様、こんにちは。
本日も株式投資のお取り組み、ご苦労様です。

昨日の祝日を「ゴールデンウィークの初日」と捉える風潮が一般的ですが、投資家の皆様には本日が「ゴールデンウィーク前の最終売買日」と捉えている方々も多い事と存じます。

4月28日に決算発表をおこなったソニーグループ(6758)が大引け段階では7.7%超の下落となり、日経平均に対するマイナス寄与分は32.77円。
本日引け後に決算発表が予定されている東京エレクトロン(8035)も冴えない展開で、日経平均に対するマイナス寄与分は37.45円となっています。

決算発表シーズンの先陣を切った、4月9日の安川電機の決算とその後の株価推移を指して、概ね、今回の決算発表シーズンの大手電気機器の今期業績見通しが、市場予想や市場の期待よりもやや見劣りするという事が、ソニーグループの決算でも村田製作所(6981)の決算でも示現されてしまった、と見る風潮が支配的になりつつあるとも言えましょう。

しかしながら、個人的には、安川電機とソニーグループや村田製作所の決算内容、特に、その「質」と「格」は大きく違うように感じております。

ソニーグループが発表した決算内容は「過去最高益」です。
その「過去最高益」となった前期比で今期は減益が予想されており、この点が市場予想よりも市場の期待よりも下であった為に、本日は大きく売り込まれる事となりました。
前期の過去最高益を先に織り込んでいたはずの株価は、減益予想の今期は上昇しないという理論には頷けるところもあります。

村田製作所も前期がほぼ最高益水準で、今期業績もその最高益水準の更新が見込まれていますが、一方で安川電気は、前々期比で落ち込んだ前期業績から、今期は前々期を上回る水準まで業績が改善する事が見込まれています。

ここで皆様にお考えいただきたいのは、単に、安川電機に、ソニーグループに、村田製作所に対する投資の是非をだけを検討するのではなく、むしろ、この3社の中から選択するならどれなのか、「比較選択」をも検討すべき、という点です。
安川電機、ソニーグループ、村田製作所は業種としては全て「電気機器」としてカテゴライズされますので、では3社の中では、いえ、「電気機器」の中ではどれを投資対象として選択するのか、さらには、投資対象業種自体についても、他業種との比較で「電気機器」が「妥当」であるかの検証を行わねばなりません。

非常に単純な手法としては、予想PERやPBRを比較して、例えば上記3銘柄内の「割安感」順位を、ご自分なりに算定してみるのも一考でしょう。
・安川電機:PER 41.54倍 PBR 5.34倍
・ソニーグループ:PER 12.45倍 PBR 2.67倍
・村田製作所:PER 25.77倍 PBR 3.16倍

誰もが知る大手企業だから、今後も株価は堅調だろうという短絡的な「思い込み的投資」や、知名度の高い大手企業だからこそ、そのブランド力に期待するという「愛着型」の「応援的投資」は、正しい投資判断に基づいた投資行動ではない、という指摘は従来から多いのですが、投資行動の「入り口」としてはこの程度シンプルなくらいで宜しいように思います。
そこから詳しく掘り下げて個別銘柄の調査を行うのは勿論の事、最終的な投資判断時には、「相対的比較」を必ず行い、しかも、その比較を、定期的に繰り返す事が必要と言えましょう。

「一番好きな銘柄はなんですか?」というお問い合わせをしばしば受けますが、
「銘柄」じゃなくて、「企業」ならば、私の場合はダントツでソニーです。

しかしなながら、「好き」だからという理由だけで投資行動を取ったりは致しません。
当然ながら「好き」でも投資に向かない「タイミング」はありますし、企業の価値が上昇する事を期待して利益を得るために資金を投入する行為こそが「投資」であるわけですから、ここから先は、ソニーが良いのか、村田が妥当なのか、安川にこそ妙味があるのか、様々な角度から比較検証する事こそが重要だと申し上げたいと存じます。

個人的には、ソニーグループのPER10倍くらいの水準は、ヒストリカル的に見ても、大企業ゆえの将来性に対する安心感的にも、他銘柄との比較でも、「鉄板」的に堅い「買いどころ」と見ています。
会社四季報ベースの今期予想EPSは525.4円XPER10倍なら5254円。。。
さすがにそこまで下がってはこないでしょうが、だからこそ今しばらくは買いづらく売り優勢となっているわけですね。


本日ご紹介した銘柄(順不同)
・ソニーグループ(6758)
・安川電機(6506)
・村田製作所(6981)


※上に例として挙げた銘柄群は、あくまでもご参考としてご紹介したまでで、これらの銘柄への投資を推奨するものではありません。



執筆:木村泰章

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