株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2021-05-21 15:30:00

アナリスト木村の銘柄研究部

4月CPI(消費者物価指数)とビッグマックの関係?

皆様、日々の株式投資へのお取り組み、ご苦労様です。

本日の東京市場寄り付き前の8時30分に、4月の全国消費者物価指数が発表されました。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(「総務省統計局」公表資料)

総合指数は前年同月比で-0.4%でした(予想は-0.5%)。
前年同月を下回るのは9カ月連続で、携帯電話料金の値下がりが影響したとされています。

皆さんご記憶に新しい事と存じますが、先週3日間で日経平均が2000円超という大幅下落となった背景は「複合要因」とされていますが、主因はやはり米国市場の大幅下落と言えましょう。
その米国市場の大幅下落の引き金となったのは、米国の長期金利上昇であり、金利上昇がクローズアップされたキッカケが、5月12日に発表された4月の米国CPI(消費者物価指数)の上昇でした。
上昇率は4.2%と、2008年9月以来12年7カ月ぶりの高い伸びを記録しました。

かなり単純な申し上げ方で恐縮ですが、CPIが上昇すればインフレ(物価上昇)懸念から金利が上昇し、金利上昇を嫌気して株式市場は下落、というのが今回の下落の背景です。
一方、日本のCPIは下落、景況感も冴えませんから、金利は上がるわけもなく、当然デフレ懸念の方が強い事となります。

ここまでのお話は、皆様の実際の株式投資の際にも念頭に置いていただきたい「理論」ではありながら、小難しくて(笑)実感が湧かない、という方々も少なくないでしょう。

では、一気に実生活ともリンクするような実感が湧きそうな話に置き換えましょう。

◆The Big Mac index◆
https://www.economist.com/big-mac-index
(「The Economist」HPより)

英語のサイトで恐縮ですが、ご興味があれば、Web上では「ビッグマック指数」に関する日本語解説サイトが多数ありますので、是非ご参照ください。

先のCPIは『経済の体温計』とも呼ばれますが、米国とか日本とか、あくまでも「一国」の経済状態を示す指標ですので、共通の「ものさし」としての比較にはやや難があります。
一方で、否定的な見方や諸説あるものの、「ビッグマック指数」は、ビッグマックという全世界でほぼ共通の「ものさし」を使って景況感を比較する事が可能です。

ビッグマック指数は世界的な経済誌『エコノミスト』が、年に2回(12月と7月?:未確認)発表しますが、同誌は「スターバックス指数」も発表している事でも有名です。

かなり乱暴な説明になりますが、ビッグマック指数を通して「推察・観察」できるのは、景況感そのものよりも世界の物価水準の「感覚的」比較です。
例えば、直近のビッグマック指数ランキングで1位のスイスは、25位の日本よりも95%割高なので、ビッグマック1個の価格は日本を390円とすると約760円相当となり、スイスの食事って割高、そもそも物価水準が高いと推察できるわけです。

日本のビッグマック指数のランキングは、年々低下しています。
物価が上がらないデフレ状態ですから当然でしょう。
2000年時点のランキングでは、日本は5位で、当時、日本のビッグマック価格は294円、一方アメリカは8位で2.51ドルでした。
当時の為替相場は106円前後でしたから、アメリカで食べるビッグマックは円換算で266円だった計算になります。

直近の日本のランキングは25位で、アメリカは4位ですから、日本人がアメリカに出掛けてビッグマックを食べると、日本国内で食べるのと比べて割高に感じる事となります。
もっと乱暴な言い方をすれば、現状では、日本人が海外に出掛けるのは得策ではありません。
ビッグマックの価格がそのまま物価水準を反映すると考えるのは早計ですが、それでも為替レートとも相まって、日本人が海外へ出かけて割安感を感じるには日本の現状の物価水準が低すぎるわけです。

では、お得感を感じつつ、それを投資行動にもリンクさせるにはどう行動すれば良いのか?
はい、今はStay Homeでビックマックを食べましょう。笑
コロナ禍が収まれば、どうなるのか?
日本人が海外へ出掛けるのではなく、日本の物価水準が割安と感じた外国人が大挙して日本に押し寄せるでしょうから、インバウンド爆買いが想定を上回るくらいのペースで復活するでしょう。
はい、インバウンド再開が確認できそうなタイミングでは、ビッグマックではなく日本マクドナルドHD(2702)の株を買いましょう。笑
その際には、「世界共通のものさし」的なブランド商品を扱う小売業も本格的な株価巻き返しとなるものと推察します。

・日本マクドナルドホールディングス(2702)
・ビックカメラ(3048)
・三越伊勢丹ホールディングス(3099)

順不同:これらの銘柄に対する投資を推奨するものではありません



執筆:木村泰章

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