株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2021-05-28 13:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

ビットコインが売られたキッカケは環境問題だった!?

本日のコラムのタイトルをご覧になった時点でドキッとした皆様、アウトです(笑)!
もとい、ドキッとする「感応度」自体は素晴らしいのですが、大変僭越ながら、そもそも、投資に関連したニュースや話題をご覧になる時の「視点がズレていますよ」とご指摘申し上げざるをえません。

確かに暗号資産、中でも代表的な存在であるビットコインの価格推移は、「リスクオン・オフ」の投資マインドの傾向を「感覚的」に知る上では、市場関係者も広く「参考」にしている「指標」のひとつです。

しかしながら、ビットコインの価格が暴落したから、即リスクオフだ!保有株を急いで売却しなきゃ!とお考えになるのは単純すぎます。
まずは、暴落した背景は何だったのか、という事を皆様ご自身が、皆様ご自身なりに分析し、わからなければあすなろ投資顧問に訊き(笑)、皆様ご自身なりにニュースを受けての投資行動が必要かどうかをご判断いただく必要があります。

ビットコインに限らず、個別銘柄でも、株価指数でも、価格推移にはなんらかの理由があるわけですから、上がった、下がった、という価格推移そのもではなく、価格推移の原因や背景を知る事こそが投資判断や投資行動を行う上では最も重要です。

「ビットコイン暴落」という「価格推移」だけにフォーカスして、その原因や背景を知ろうとしないのであれば、僭越ながら「ズレている」し「アウトだ」と申し上げているわけです。

暗号資産全般に関しては、投資対象として「お勧めしない」旨を、あすなろ投資顧問では何度か繰り返しご指摘申し上げております。
https://1376partners.com/content_page/13313
・暗号資産関連銘柄の調整はもう少し長引くかも(5月21日)
https://1376partners.com/content_page/13320

その中でもご紹介しておりますが、今回の暗号資産全般の価格下落の経緯を大まかに並べると下記のとおりとなります。
①テスラCEOが購入時のビットコインを利用した支払い方法を取り止めるとツイッターで発言。
②中国は銀行や決済会社が仮想通貨取引に関連するサービスを提供することを禁止、さらに投資家に対して投機的な仮想通貨取引を禁止すると警告。
③ビットコインは19日午前(米東部時間)に24時間で19%急落し、35000ドル近辺まで売られる。
④米通貨監督庁は、過去1年間で発表した暗号資産関連の指導(ガイダンス)を再検討すると発表。

そのうち①のテスラCEOが「ビットコインを利用した支払い方法を取り止める」とツイートした背景は、同氏がビットコインの「マイニングプロセス」を懸念しているからだという事が明らかになっています。

マイニングとは「採掘」の事を指し、言い換えるならば「生成」とも言えるかもしれません。
このプロセスは、高出力のコンピューターを使用しデジタル通貨を生成するわけですが、大量のエネルギーが消費されます。
そのエネルギーを生み出すためには、化石燃料、特に石炭による電力が使われる事になります。

もうお気付きでしょう。
環境問題に敏感なはずの、電気自動車で有名なテスラのCEOが、環境問題の元凶と認識されている石炭電力を必要とするデジタル通貨を、支払い手段として認めていたら本末転倒です。
つまり、「カーボンニュートラル」という世界潮流に、その旗振り役が逆行している事になります。

世界のビットコインのマイニングの75%が行われているのは、仮想通貨・暗号資産に関して厳しい規制を敷いている中国です。
米通貨監督庁の規制は、米国内の暗号資産そのものに対する規制だけでなく、今後、中国でのデジタル通貨マイニングについても波及する可能性もありえましょう。

こうなりますと、例えば「投資会社」のように、有価証券だけでなく、実物資産投資、商品市況投資、不動産投資、事業投資等に幅広く投資を行っている、「長期の自己投資」は引き続き暗号資産投資を続けるかもしれませんが、
他人の資産を預かって運用している、特に有価証券+アルファを主たる投資対象にしている「投資運用会社」は、暗号資産を投資対象としていると顧客に対する説明がつかなくなります。
ゆえに、「他人勘定運用機関=機関投資家」は、一斉に暗号投資資産から撤退し、最もオーソドックスな運用手法である有価証券運用に回帰する事になりましょう。
言い方を換えますと、有価証券運用の「代替」とされる「オルタナティヴ運用」の対象からも、「環境問題に逆行する」暗号資産への投資は外される可能性が高い、という事になります。

『暗号資産投資を避けた運用資産の向かう先は、結局、最もオーソドックスな有価証券投資、株式だろう』というのがあすなろ投資顧問の見解です。

弊社では既に、『カーボンニュートラル』というテーマは、ご助言銘柄選別時の重要なファクターとして捉えておりまして、まだまだ完全ではないものの、環境問題に逆行するような銘柄群はできれば避ける認識でおります事をお伝えしておきます。


執筆:木村泰章

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