株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2021-06-05 09:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

会員の皆様からのお問い合わせ内容に感心している点と、やや残念な点

週末・休日版コラムでは、銘柄や相場や経済についての直接的な話ではなく、むしろ、そこから離れたところからの目線で、しかしながら、結局最後は株式投資にもつながるような話もご披露したいと存じます。
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。

皆様、開催中の「あすなろ銘柄相談フェスタ」に連日、多数のお問い合わせをいただき、ありがとうございます。
ご回答のタイミングが遅れたり、不躾、僭越なご提言を申し上げたり、至らぬ点は是非ご容赦ください。

銘柄選択や、その材料等、弊社にとりましても参考になる点が多く、私ども一様に、非常に有意義に感じておる次第です。

特に感心しておりますのは、皆様が、日々の株式投資のお取り組みに際し、「分散投資」という大前提から概ね外れぬ投資行動を取られている点です。
「一点買い」というケースはほとんどなく、複数の銘柄に分散投資されている点は、想定を上回るポジティブな点だと感じました。

他方、やや残念に思っているのは、分散投資ができているのであれば、管理すべきは個別銘柄の値動きよりも、むしろ、ポートフォリオ全体の評価こそにフォーカスしていただきたいところで、実際は、やはり、個別銘柄の値動きを気にされている方が多いと思われる点です。

例えば、保有されている銘柄群のうちのひとつが、狙い通りのパフォーマンスになり、かつ、想定以上の、例えばストップ高になったと仮定します。
お気にされるべきは、当該銘柄についての「いつ売ればいいですか?」でも「まだ上がりますか?」でもなく、
お問い合わせいただくべきは、ポートフォリオ管理のセオリーに従うのであれば、「ストップ高に併せて処分売りすべき銘柄はどれですか?」だと思っております。

正直なところ、このパターンのお問い合わせは、残念ながら今のところ1件もいただいておりません。(>_<)

ポートフォリオ全体を管理するよう心掛けていただきますと、例えば、5月の半ばの大幅下落の際に、指数は大きく下げているのに、仮にご自身のポートフォリオは半分くらいの下落で済んだとすれば、「相対感」という評価から、ご自身のポートフォリオは充分にリスクコントロールが効いている事となり、慌てて個別銘柄を売り急ぐ必要が無くなる事にもつながりましょう。

ポートフォリオ管理には、皆様がお使いの証券各社の取引ツールの中の、ポジション管理ですとか資産評価照会ですとかの機能を利用する事になると思いますが、ポートフォリオ全体がプラスになっているのか、マイナスになっているかこそが、個別銘柄の値動きよりも重要であるとご認識いただきたいと思う次第です。
「ベスト=最良」なポートフォリオ構築はプロの熟練運用者でも難しい一方、市場環境に併せて「ベター=最善」なポジションの構築・調整・反省・改善に日々挑む事こそが、株式投資の神髄であり、王道であり、醍醐味であることをご理解いただきたいと存じます。



執筆:木村泰章

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