6月ロイター短観、6月QUICK短観を経て、6月日銀短観とその先を読む
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。
既にロイター短観に関しては過去にご紹介しておりますので、こちらをご覧ください。
◆アナリスト木村の銘柄研究部2021年4月1日記事◆
◎6月ロイター短観(6月17日発表)
調査期間:6月3日から14日
調査対象:238社(回答)/400社(対象)
大企業製造業の業況判断DI:前月比1ポイント改善の+22となり、2018年12月の水準を回復。
大企業非製造業の業況判断DI:前月比2ポイント悪化のゼロとなり、今年1月を底に続いていた改善が一服。
先行きについては製造業が小幅悪化、非製造業は大幅改善を見込む。
◎6月QUICK短観(6月15日発表)
調査期間:6月6日か6月10日
大企業製造業の業況判断DI:3月調査の+4から22ポイント改善し+26。18年10月の+28以来の高水準。
大企業非製造業の業況判断DI:3月調査の+9から9ポイント改善の+18。
次に、7月1日に発表される予定の日銀短観に関する各シンクタンクの予想をまとめると概ね下記のとおりとなります。
◎「三井住友DSアセットマネジメント」の6月日銀短観予測
大企業製造業の業況判断DI:+19程度と18年12月調査以来の水準を予測。
大企業非製造業の業況判断DI:+4程度と20年3月調査以来のプラスを予測。
◎「大和総研」の6月日銀短観予測
大企業製造業の業況判断DI:+14
大企業非製造業の業況判断DI:+1
いずれも前回調査からの改善を予想。
◎「三菱総合研究所」の6月日銀短観予測
大企業製造業の業況判断DI:+15と4期連続の改善を予測。
大企業非製造業の業況判断DI:+4と、製造業と比較し小幅な改善にとどまると予測。
◎「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」の6月日銀短観予測
大企業製造業の業況判断DI:6ポイント改善の+11
大企業非製造業の業況判断DI:+1
ロイター短観、QUICK短観、日銀短観は相関性が高い為、7月1日発表予定の日銀短観では、大企業製造業の業況判断DI、大企業非製造業の業況判断DI共に、改善が見込まれている事がコンセンサスとなっております。
敢えて、ややサプライズかと思われる点を挙げるとすれば、ロイター短観の先行き見通し(3か月先)では、大企業製造業の業況判断DIが小幅悪化に転じ、大企業非製造業の業況判断DIは大幅改善が見込まれているのに対し、国内シンクタンクは概ね、先行きに関しても改善基調が続くと見ている点でしょうか。
あくまでも個人的な印象ですが、向こう3か月間は、ワクチン接種が進捗し、コロナ禍からの回復が期待されるサービス業等の非製造業の回復が予測される一方で、改善ペースが維持されてきた製造業はやや頭打ちになる可能性が暗示されているように感じました。
また、通常時より、やや、各シンクタンクからの日銀短観予想の件数が多めに感じた点も最後に付け加えておきます。
執筆:木村泰章
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