株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

(一社) 人工知能学会:18801(公社)日本証券アナリスト協会:01159

あすなろ投資顧問

2021-07-07 16:15:00

アナリスト木村の銘柄研究部

日経平均構成銘柄入れ替え:今のところ単なる市場の話題レベルでしかありません

皆様、日々の株式投資へのお取り組み、ご苦労様です。

本日は、今週話題として取り上げられる事が目立った「日経平均構成銘柄入れ替え」について触れてみたいと存じます。

まず、今秋行われる予定の日経平均構成銘柄入れ替えが、市場の注目を集めている背景は、下記2つの理由によるところが大きいと思われます。
・今秋の銘柄入替は、「新ルール」に基づく最初の定期見直しであり、銘柄入替の傾向は昨年までとは大きく変化する可能性もある。
・来春の東証市場区分変更を控えているので、この点についてもある程度考慮された入れ替えとなる可能性があり、インデックスプレイヤーにとっては、東証市場区分変更の「前哨戦」と目されている模様。

日本経済新聞社は、7月5日に、みなし額面等に関するコンサルテーションの結果を開示し、既に開示されていた原案通りに、日経平均株価の算出や選定のルールが改定され、株価換算係数の導入と入替銘柄数上限は、今年10月の定期見直しから適用される事となりました。

日経平均株価算出要領(2021/6/15)
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/file/nikkei_stock_average_guidebook_jp.pdf

◎「新ルール」のポイントは概ね下記のとおり
 (1)構成銘柄の株価水準は、みなし額面を使うのをやめて新たに株価換算係数で調整。
 (2)新規採用時の株価は市場価格を原則用い、著しく高い場合にはインパクトを抑える  ため一定水準以下となる株価換算係数を設定。
 (3)新規採用する銘柄は、採用時に構成比が1%を超えないよう調整する。
 (4)定期見直し時の入替銘柄数に3銘柄という上限を設ける。
 (5)来春以降の銘柄選定ユニバースはプライム市場とする。

◎入れ替え自体に関する今現在の決定事項
・日経平均の定期見直しは10月1日に行われ、その内容については9月初旬に発表される。
・株価調整係数が導入されても、既存の構成銘柄については変更が適用されず、影響を及ぼさない。

◎予想される市場への影響
・株価換算係数が導入される事で、株価が高く指数へのインパクトが大きくて採用されなかったような銘柄群も今後、採用されやすくなる事が見込まれる。
・仮に下馬評どおりに任天堂(7974)が採用された場合、パッシブ投資家の買い需要は2000億円程度と見込まれている。
・日経平均の既存の構成銘柄については、株価調整係数が変更適用されない為、ファーストリテイリングやソフトバンクグループといった、指数への寄与度の大きな銘柄の株価変動に指数が振らされる構図はあまり変わらないと思われる。
・日経平均は、消費セクターの銘柄数に不足が目立つ一方、素材・技術のセクターには過剰感があるとみられている為、今回の「新ルール」適用を機に、今後この点をも改善する方向で入れ替えが進む可能性もある。

◎広く公開されているSMBC日興証券の予測(2021/7/5)
・基本シナリオは「1増1減」で、任天堂(7974)の採用とスカパーJSATHD(9412)の削除を見込む。
・入替上限である3銘柄の入れ替えが行われる場合は、任天堂に加え、ZOZO(3092)およびオリエンタルランド(4661)の採用と、スカパーJSATHDに加え日清紡HD(3105)と東洋製罐 GHD(5901)の削除を見込む。

◎過去に日経平均採用候補として取り上げられた銘柄(順不同)
・村田製作所(6981)
・カカクコム(2371)
・スクエア・エニックス・HD(9684)
 
今のところ、この銘柄入れ替えに関して、急を要する投資行動は特にございませんので、過度なご心配をなさらぬようお伝え致します。

*注目すべきマーケット動向として情報をご提供する事を目的としており、これらの銘柄に対して投資推奨する事を目的としたものではありません。



執筆:木村泰章

無料新着記事

記事一覧へ

今ご登録で特典5銘柄+大石銘柄+5000ptをプレゼント!

今すぐ無料登録 クリック