株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2021-07-24 15:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

コロナ禍で、矛盾だらけの日本の働き方改革について考える

週末・休日版コラムでは、銘柄や相場や経済についての直接的な話ではなく、むしろ、そこから離れたところからの目線で、しかしながら、結局最後は株式投資にもつながるような話もご披露したいと存じます。
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。

壮大なテーマに挑んでしまったかもしれません。汗

今に始まった話ではなく、私が随分と前から個人的に感じているのは、「日本の成長は停止した」です。
「個」の都合主義が強すぎて、それを「自由」だ「多様性」だと取り違えて、社会全体の「和」や「統一感」に欠ける気がしています。
「個」がそれぞれ勝手な主義主張や行動をしているからこそ、何か事を起こす際にも必ずや反対論を展開して足を引っ張る人達が出てきます。
文句を言うよりは、改善する為のアイデアを出したり提言を行おうとする人はまだまだ少数派です。

コンビニやチェーン展開する外食産業や工事現場で働いておられる方々は、東京圏では今やほとんどが外国人です。
働く事が出来る事自体に喜びを感じているタイプの人達よりも、文句ばっかり言ってる日本人の方が多いから、あたりまえでしょう。
団塊の世代と言われた諸先輩方が、企業戦士と揶揄されながらも、寝る時間も惜しんで、自身の健康面さえ省みる事無く、猛烈に働いてくださったからこそ、日本の高度経済成長は実現しました。
それが今では、「自分だけは」常に賢く、お徳に、安全に生きていこう、というタイプの方々こそが増大し、「ワークライフバランス」や「多様性」等「個」を尊重する傾向ばかりが強くなっている気がしてなりません。

例えば、「クールビズ」は生産性を上げたでしょうか?
私は2000年前後に、所属していた外資系証券会社で「カジュアルフライデー」が始まり、次いで「カジュアルエブリデー」、客先にご挨拶に伺う際にはスーツに着替えますがノーネクタイがあたりまえになりつつありました。
お中元お歳暮も廃止、年賀状もクリスマスカードも大幅削減、顧客接待も基本全て廃止されました。

ですが、それで生産性が向上したとは全く感じていません。
そもそも日本企業の一番の強みは「意思統一された組織」だったはずで、日本企業の「組織構成」は「個人事業主の集団」では無いのです。
毎朝朝礼があって社員全員でラジオ体操をやっている会社が、DX化やリモートワークをどんなに推進したところで、社員の「サラリーマン意識」そのものが改善するとは思えません。
欧米流に「成果主義」を報酬体系に取り入れれば、「サラリーマン意識」は後退する可能性がある反面、一方でますます「個」の主張ばかりが増大してしまう可能性もあります。

不適切な申し上げ方かもしれませんが、「個」の主張が強くなってしまったからこそ、学校の給食費さえ払わず、ライトを付けずに自転車に乗り、通勤時間帯の満員電車に電動車椅子で乗り込んでくる人達に対して、苦言を呈する事さえ憚られる風潮に陥ってしまっているよう思います。
フラストレーションが溜まった国民は、常に何かに怒っているようになり、政治はダメだと言いながら選挙に行かなくなり、
自身が「個」を主張している一方で、自身以外の人の「個」を認めようとはしません。
煙草を吸う人は冷ややかな目を向けられ、コロナ禍で飲食業は感染の温床のような扱いを受けています。

そんな日本が、久しぶりに「一体感」を共有できるイベントとして、今回の東京オリンピック・パラリンピックには個人的に大いに期待をしていました。
これを機に、「個」に走り過ぎた日本が少し軌道修正して、「日本流の組織力に根差した素晴らしさ」を世界に発信できるチャンスになると考えていたからです。

「お・も・て・な・し」の素晴らしさをアピールして開催国としての権利を獲得したオリンピックは、コロナ禍という未曽有の事件を経て、残念ながら「お・も・て・な・し」ができない見込みとなった時点で、中止すべきだったと個人的には思います。
しかしながら、一国の首相が開催を強行するとおっしゃるのですから、私自身を含めた日本国民に、反論する「選択肢・余地」は無いように思います。
現政権を支持するとか批判するとかではなくて、コロナ感染の拡大懸念について議論するのでもなくて、「日本国」としてオリンピック・パラリンピックの開催を支持する事が日本国民として求められる姿勢ではないかと思います。
個人的には、社会の枠組みの中で生きていくのならば、社会の存続に必要不可欠な事象に関して、「個」の自由なんて認められなくていいとさえも考える次第です。
ワクチン接種に際しても、「痛いから」、「副作用が心配だから」と、接種を断る「個」の自由が認められている今の日本に、「働き方改革」なんて、「DX化」なんて、「SDGs」なんてありえないように思います。

あれ?一番文句を言ってるのは私自身かも?
お後が宜しいようで。。。



執筆者:木村泰章

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