決算発表は概ね好調で、サマーラリーへ突入という展開を信じたい
コロナ感染再拡大、政局への不信、米国発の動きに一喜一憂を繰り返す日本の株式市場と、株式投資を取り巻く外部要因の不確実性は増えている印象である一方、株価構成要素の根幹である企業業績面については、この後本格化する決算発表全般に対して強気の見方を継続して良いと思われるような、個別企業の業績発表が相次いでおります。
中でも決算発表シーズンの序盤戦に、強気派が自信を強めるに充分だった業績発表、業績修正を幾つかご紹介致します。
・安川電機(6506)
決算発表シーズンの到来を告げる安川電機の決算発表は、そのシーズンの先行きを占ううえでも常に注目されてきましたが、7月9日引け後に発表された22.2月期1Q(3-5月)の連結税引き前利益は前年同期比2.3倍の135億円に急拡大し、併せて、通期の同利益を従来予想の433億円から555億円(前期は271億円)に28.2%上方修正し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなり、決算発表の翌営業日の7月12日には大幅高を演じました。
⇒電気機器全般だけでなく、今シーズンの決算発表が好調である事を期待できる内容。
産業用ロボット、自動車向け・半導体関連向けサーボモーター等も好調で、「自動車・半導体」というキーワードに関しても強気で良いとの印象。
・オーエスジー(6136)
7月9日に予定されていた21.11月期中間決算を前にした7月7日に、上期連結経常利益を一転21%増益に上方修正しました。
通期の連結経常利益も、従来予想の115億円から152億円(前期は89.5億円)に32.2%上方修正、配当も7円増額と、ポジティブサプライズでした。
株価は7月12日に2100円どころへ急伸しました。
⇒やはり機械セクター全般は業績拡大局面入りしている事を実感。
・キヤノン(7751)
7月28日に予定されていた中間決算発表を前に、7月19日の取引終了後、21.12月期の連結税引き前利益を従来予想の2110億円から2980億円(前期は1302億円)に41.2%上方修正しました。
全体相場が続落する中で、7月20日の株価は逆行高となりました。
⇒電気機器、精密機器の大手どころの業績推移も好調である事を確認できた印象。
・NOK(7240)
7月20日取引終了後にに業績修正が発表され、22.3月期の連結経常利益を従来予想の272億円から400億円(前期は183億円)に47.1%上方修正しています。
同時に、4-9月期(上期)の連結経常損益も従来予想の110億円の黒字から210億円の黒字(前年同期は86.6億円の赤字)に90.9%上方修正しました。
本日の株価は一時高値1559円を付ける大幅高でした。
会社側は、シール事業においては、自動車向け、一般産業機械向け共に国内外で想定を上回る受注が見込まれ、電子部品事業においても自動車向け、高機能スマートフォン向けの販売が順調に推移する見通しと説明しています。
⇒「自動車・半導体」というキーワードに関しては、やはり引き続き強気姿勢で良いと実感。
・ファーマフーズ(2929)
7月19日の取引時間中に、21年.7月期の連結経常利益を、従来予想の21.4億円から51.7億円(前期は7.8億円)に2.4倍上方修正する旨発表が行われました。
全体相場が続落する中で、同日の株価は出来高を伴って3000円台を急伸し、一時3375円まで買われました。
⇒製造業だけでなく、企業業績の好調推移が横への広がりを見せる可能性をも確認できた印象。
という事で、今後の企業業績発表にも強気、その好調ぶりがサマーラリーへとつながる展開を引き続き信じていこうと考える次第です。
明日から4連休となりますが、会員の皆様におかれましては、コロナ感染拡大に充分ご留意いただきまして、来週以降の株式相場動向を楽しみに、ゆっくり、楽しく、安全にお過ごしいただきたいと存じます。
*注目すべきマーケット動向として情報をご提供する事を目的としており、上に挙げた個別銘柄に対して投資推奨する事を目的としたものではありません。
執筆:木村泰章
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