7月の工作機械受注統計(速報)
本日の取引終了後に、日本工作機械工業会から7月の工作機械受注統計(速報)が発表されました。
▼日本工作機械工業会受注統計2021年7月分速報(2021/8/11)
https://www.jmtba.or.jp/wp-content/uploads/sokuhou2107weoc.pdf
受注総額では前年同月比でも前月比でも依然としてプラス推移ではありますが、外需が好調な一方で内需は前月比では小幅マイナスとなっています。
かなり乱暴な申し上げ方で恐縮ですが、足元の機械セクター株全般の値動きの傾向としては、自動車向けや産業機械銘柄の株価推移が相対的に強く、半導体向けや工作機械銘柄の株価推移が総じて冴えない印象と申し上げて宜しいでしょう。
良い決算発表が出れば利食い売り、もしくは好材料出尽くしと見た売りを浴び、悪い決算が出れば、そのまま素直に売りが出る、という展開が続いております。
中国経済の成長鈍化懸念や、全体相場の膠着感や、頭の重い展開による投資マインド・センチメントの悪化等、個別銘柄固有の要因ではなく、マクロ面での外部要因によって株価の下落が続いている印象です。
以前もご紹介致しましたが、工作機械工業会の現会長はファナック会長の稲葉善治氏です。
そのファナック(6954)の株価推移は、7月29日の取引終了後に、申し分の無い決算内容(22.3月期1Q決算)及び業績の上方修正が発表されたものの、依然今年の安値圏で停滞しております。機械セクター全般の「指標的」銘柄であるファナック株が切り返し反転から上伸しない限り、結局のところ、機械セクター全般の株価は上向きとならないものと認識しておる次第です。
機械セクター全般の業績推移のシクリカル性=景気敏感と定義するのであれば、業績拡大局面入りが見込まれている機械株全般は、やはり景気回復を先取りしていると考えられる一方で、機械セクター全般の株価が軟調推移となっている事は、景気回復が株価の上昇には繋がらない可能性、もしくは、株価が景気回復を先取りしない可能性、もっと言うなら、景気回復よりも株価の上昇が遅れる可能性をも示唆しているのかもしれません。
個人的には、機械セクター全般に関しては強気見通しを継続したいと存じますが、好調業績が実際に株価に反映されるのは想定以上に遅くなる事も、併せて念頭に置きたいと考える次第です。
機械セクター株を保有されている会員様は、逆張りスタンスの突っ込み買いで保有ポジションを拡大するよりは、むしろチャンスがあれば一旦ポジションを縮小する方向をも模索していただき、切り返し基調が鮮明となってから再度、買い目線でエントリーし直す方が無難なのかもしれません。
以上、ご参考となりましたら幸いです。
執筆:木村泰章
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