メルカリの連想:買えそうで、なかなか手を出しにくい「リユース」銘柄
本日は、私が個人的に株価推移を頻繁にチェックしている「リユース」銘柄をご紹介致します。
不用品を換金する手段としての日本の「質屋文化」を、「リユース市場」へと引き上げた上場会社としては、例えば貴金属やブランド製品をメインに扱うコメ兵HD(2780)や大黒屋HD(6993)よりも、個人的には、ハードオフコーポレーション(2674、以下ハードオフ)やトレジャー・ファクトリー(3093、以下トレファク) の存在が大きかったと考えています。
CtoCのリユース市場の急先鋒はメルカリ(4385)ですが、こちらも「換金手段」として1円でも高く換金したい売り手が、「リユース」には程遠いプライシングをしている傾向が強い印象で、リユースを目指して、お得にモノを買いたいという「買い手」にとっては決して有利とは言えないように思います。
「買い手」にとっての「お得感」こそが、「売り手」の「都合の良さ」をも上回るかどうかが、個人的には、リユース関連企業の成長性のドライバーのひとつとしては重要であると考えており、となれば、トップピックはやはり、ハードオフかトレファクというのが持論です。
株価推移を頻繁にチェックしているのはトレファクの方です。
時価総額はハードオフとほぼ同じですが、ハードオフが直営フランチャイズ合わせて900店舗規模と飽和状態にあるなか、トレファクの店舗数は140店程度とまだまだ拡大余地がある点をカタリストのひとつと考えています。
さらに、トレファクの大株主として米国大手投信会社が5年以上前から継続保有している事が確認されている点も支援材料のひとつでしょう。
しかしながら、下記の点が気になって、なかなか手が出しにくい状況であると考えています。
・コロナ感染拡大を受けて21.2月期(前期)業績が悪化したが、現状ではむしろ、コロナ感染再拡大を受けて巣ごもりが長期化する見込みが、「リユース関連」銘柄物色の追い風となっている印象。「家中関連」としても、不用品を換金する「リユース関連」としても、同社株が物色対象となっているのなら、それは単なる「コロナ特需」ではないのか?という懸念。
・6月、7月の月次売上概況は、前年同月比(既存店ベース)を小幅ながら下回っている。
▼2021年7月 月次売上概況(単体)(2021/8/10)
https://kabutan.jp/disclosures/pdf/20210810/140120210809481954/
・7月14日に発表された今期(22.2月期1Q)の決算内容は、連結経常損益は3.6億円の黒字(前年同期は2.1億円の赤字)に浮上し、3-8月期(上期)計画の1億円に対する進捗率が342.1%と超過達成になっていながら、上期計画及び通期計画が上方修正されなかった点。
・東証1部上場でありながら、未だにプライム市場移行への基準を満たしていないと思われ、流動性面の改善の為に売出しが行われるかもしれないという懸念。
・実店舗の「オーガナイズド感=整理整頓」や「カスタマーサービスの姿勢」は、未だにトレファクよりもハードオフの方が遥かに上という印象。
例えば、株価が急騰するか急落するかで、バリュエーション面かテクニカル面のいずれかに「お得感」が出てくれば良いのですが。。。
執筆:木村泰章
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