株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2021-09-11 09:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

9.11同時多発テロから20年の節目に思う

週末・休日版コラムでは、銘柄や相場や経済についての直接的な話ではなく、むしろ、そこから離れたところからの目線で、しかしながら、結局最後は株式投資にもつながるような話もご披露したいと存じます。
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。

あの日、私は当時勤務していた外資系証券会社が、日本株関連業務を縮小する事を受けて、
残留するか移籍するかを判断せねばならない局面でした。当時の同僚と、食事をしながらお互いの身の振りについて、報告や意見交換をしている最中に、WTCに飛行機が突っ込んだ、という第一報に触れました。

そこそこお酒も飲んで、どうやらテロらしい、という話が回り始めた頃、ラーメン屋さんのテレビで2機目の飛行機が突っ込むところをLive中継で見ました。

それまで残留するよう説得されていた会社側のスタンスは一転し、10月末をもって所属部門を縮小ではなく閉鎖する旨、それでも他部門への転籍を打診されましたが、「浪人」も覚悟して退職しました。

想定どおり、同業他社はどこも「Hiring Freeze」(採用停止)となり、結局、翌年の5月まで半年間にわたって私は職を失って「浪人」となって、不安な日々を送った記憶があります。もちろん、私個人の当時の不安心理など、取るに足らない話ではありますが、
あの9.11の「副作用」的な影響を受けた私にとって、9.11は決して他人ごとではありません。

翌年の4月に再就職先と5月からの出社が決まったので、私は「その時」の米国を実際に身をもって「経験」しておこうと思い、単身1週間ほど米国西海岸の友人宅に身を寄せました。

「Pray for peace but support our troops」
当時ほど「難しい」、政治上の舵取りは無かったように思います。
自国が、もっと言うなら近親者が攻撃を受けたのだから、報復は当然だと主張する人達と、
報復こそが目的ならば、軍の派兵自体に反対だという人達、どちらの言い分も充分過ぎるほど理解できます。
実際に、何人もの見ず知らずの人達から、空港で、レストランで、ショッピングモールで、「私の意見」を求められましたが、私が一貫して主張したのは、最も適切で中立だろうと思われた、上記のスローガンです。
「平和を祈ってるけど、反撃に出る権利も否定しないし、派兵も支持するよ」

20年経って、米国はアフガンからの完全撤退に踏み切りました。
今年の9月11日に向け、タリバン政権が、独立を、米国や西側諸国への「勝利」を、宣言する事になりましょう。
これを米国が、過去の経緯すべてを飲み込んだ・乗り越えたうえで「容認」するという「強さ」は、世界のどの国も真似できないように思います。

一方で、今回のコロナパンデミックの犠牲者は、直接的・間接的を問わず、9.11の犠牲者を大きく上回ります。
ただ、やはり、「未曽有の事件」としての性質と、その「未曽有の事件」への対応という面では、はるかに9.11の方が「重大」だったと考える次第です。

我が国では欧米のようなロックダウンは「難しい」などという、コロナ禍に対する日本政府の対応に触れ、個人的には、「強さ」に程遠い政治的舵取りが残念に思えてなりません。
コロナパンデミックが米国にとっては、「未曽有」であってもさほど「重大事件」ではない可能性がある事は、米国株の堅調さにも表れているようにも思います。

日本が次の政権でコロナ対策を前面に押し出すのならば、少なくとも、実効性、即効性の高い、かつ、日本国民が納得する「実弾系」のパッケージが求められましょう。
となれば、意志的には「強くない」なりに、「経済対策」という形での「強さ」を示さなければ国民は納得しないでしょう。
日本にとって、「経済対策」だけは「難しくはない」はずなのですから。。。

個人的には、大幅上昇となっている日本の株価は、次期政権に対して「経済対策」を迫り促す「メッセージ」を内包しているかのように感じている次第です。



執筆者:木村泰章

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