【相場を観測する】チャートを用いて詳しく解説します!(第23弾)
~相場の観測~
【日経平均株価(週足)】=先高示唆=
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前回の「安値維持と反動高値幅が焦点」(記:21/8/13)では、以下のように述べた。
(前回の『着眼大局着手小局No.22』はこちら)
「7月30日には2月高値以降の安値27,283円に進み下降トレンドの継続となっている。ただ、下げ幅が3,184円≒3,152円(H~I)と過去の値幅の影響を受ける格好となっていることから、踏みとどまるか、一時的止まり値かが焦点となっている。また、反動高値幅が1,993円を上回ると反転につながる可能性がある。」とした。
実際には、8月20日には27,013円と安値に進んだあと切り返し、上値抵抗をクリアして急伸した。3週続伸で30,381円と上げ幅も拡大し2月高値30,467円に迫った。
よって、高値更新で先高が示唆される経過となっている。
【日経平均株価(日足)】参照 =先高もリズムの形成が必要=
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前回の「TOPIXに支えられ方向を探る」(記:21/8/13)では、以下のように述べた。
「安値27,940円(7/9)以降は、高値28,718円(7/13)~安値(G)27,283円と5月安値(E)27,448円を165円下回ったあと、やや値を戻している。(※TOPIXの5月1日安値維持が注目される)。現在は高値(B)30,467円以降の右肩下がりも5波動構成(B~C~D~E~F~G~H?)とした場合、戻りの第6波動となることから、安値(G)を維持した反動高値幅が重要となる。」とした。
実際には、高値(H)28,070円を経て安値(I)27,013円と前安値(G)27,283円を下回ったあと反発し、30,381円と上げ幅が3,368円と拡大した。
よって、現在は2月高値(B)30,467円を上回ると先高の示唆となる。また、安値(I)27,013円を基点とする第一波動の高値を探る経過となっている。その場合、主な上値は以下の水準が挙げられる。
(1)30,432円=I+3,419円
(2)30,520円=I+3,507円
(3)30,951円=I+3,938円
(4)31,044円=I+4,031円
(5)32,073円=I+5,060円
(6)32,164円=I+5,151円
ただ、安値(I)27,013円からの基調の維持には、反動安値幅が787円ないし1,057円程度に収まることが大事。これらを上回ると1,473円、1,684円など、値幅の拡大につながりやすくなる。また、先高も第2波動の安値を確認するリズムの形成が必要となる。
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【売買高と株価】=売買高増加傾向の維持が重要=
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売買高60日平均は4月2日をピークに低下し8月30日にようやくボトムとなりそうな気配となってきた。
一方、20日平均は60日平均にやや先行する7月21日にボトムとなり、直近では下げ止まりからやや上向きに傾向にある60日平均を上回ってきた。
この現象が株価の上昇を示唆するものとなる。ただ、今回は株価が急騰していることからひと反動が伴いやすい状態となっている。その場合、売買高の増加が伴う、上昇傾向の維持が重要となる。
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【脳活 逆さチャート】
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~枚挙に暇がない!~
日経平均株価は8月20日を安値に急変し、8連騰を挟んで2月の高値に迫っている。この急騰の背景は、「外国人買いの復活だ」、「政局相場だ」、「衆院選で与党の自民党の議席を落とさず戦える見方がでた」、「次期政権の政策に期待した買いが入っている」、「新型コロナウイルス感染のピークアウトが背景だ」、「日本企業の業績アップが背景だ」、「日本株は割安だった」、「外国人の先物買いが急騰の背景だ」、「ETFの買いが要因だ」、「市場は変化を期待している」等々。もっともらしく後追いの解説が飛び、枚挙にいとまがない。
それまでの、「米国の金融政策から目が離せない」、「新型コロナウイルス・デルタ型の猛威で、感染の拡大と景気の減速で世界経済の先行き不安があり、積極的に動くことはできない」と慎重な見方が一気に否定された。
相場は、“動くか動かないか”で、動くとすれば“上か下か”となる。これが相場だ。
「急騰」と「急落」(逆さチャート)を観れば、今後の動きが短期の展望もしやすいのではないだろうか。
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【TOPIX(日足)】~新展開期入り~
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前回の「波動の転換は上値トライを示唆」(記:21/8/13)では、以下のように述べた。
「直近の安値(O)1,888pが5月安値(Ⅰ)1,849pを維持していることから、高値(J)を上回り下値切り上がる波動転換の形成が焦点となる。同波形の形成は3月高値(D)以降の調整が進み上方向(上値トライ)を示唆する。さらに、高値(D)2,012pを上回ると調整完了から新展開期入りを示唆する経過へと進展することになる。ただ、反動安の値幅が50pを超えると、直近の安値(O)1,888pを試す動きにつながりやすく、同安値の維持が焦点となる。さらに、同安値を下回るようだと5月の安値(I)1,849pを試す経過となる。」とした。
実際には、安値(O)1,888pからの戻りは1,956pを高値(P)に安値1,880pと急反落し安値(O)を下回った。ただ、前安値(I)1,849p上方に位置して急速に切り返した。9月1日には、高値(J)1,975pを上回り下値切上げとなり、3日には3月高値(D)2,012pを一気に上回り年初来の高値に進んだ。
よって、現在は新展開期入りを示唆する経過となっている。その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)2,101p=J+(J-I)
(2)2,175p=D+(D-I)
(3)2,243p=I+394p(20/3/16~6/8)
(4)2,282p=I+433p(20/10/30~21/3/19)
ただ、安値(Q)1,880p以降(第3波動:3波構成=I~J~Q~?)の基調維持には、反動安値幅が68pないし76p程度に収まることが大事となる。これらを超えると87pないし95pなど、値幅の拡大につながりやすくなる。また、先高も第4波動の安値を確認するリズムの形成が必要となる。
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【マザーズ(日足)】~高値更新で下降波動に終止符~
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前回の「直近安値の維持と戻り値幅が焦点」(記:21/8/13)では、以下のように述べた。
「現在は前安値(K)1,042pより上位にあることから、52p程度を上回る反動高が生じるかが焦点となっている。同値幅を超えると上げ幅の拡大につながりやすくなる。値幅は85p、94,108~110~112pなどが挙げられる。ただ、直近の安値1,062p(8/5)を下回ると、5月の安値(K)1,042pの維持が焦点となる。同安値を下回ると新たな下値を探る経過となる。」とした。
実際には、6月30日高値(L)1,207pからの下落は、前安値(K)1,042pを下回り8月17日には安値(M)1,009pとなった。ただ、昨年10月高値(D)1,365pからの下げ幅が356pと19年12月高値915pから20年3月安値(A)557pの下げ幅358pに見合う水準1,007pの影響を受ける格好で踏みとどまって切り返した。直近1,177p(9/10)までの上げ幅は168pと前上げ幅165p(K~L)を上回った。
よって、現在は重要値幅で切り返し、上げ幅も拡大したことから戻りをうかがう経過となっている。その場合、上値は以下の水準となる。
(1)1,201p=M+(H-G)
(2)1,219p=M+(D-E)
(3)1,246p=M+(D-G)
(4)1,287p=M+(H-K)
ただ、直近の安値(M)1,009pからの上げを維持するには、反動安値幅が26pないし52p(6/21~L)程度に収まることが重要となる。これらの値幅を上回ると85p、94pなど、値幅の拡大につながりやすくなる。
また、直近の高値(L)1,207pを上回ると昨年10月高値以降の調整相場に終止符が打たれる可能性が高まる。
さらに、安値(M)からの第6波動の上げ幅拡大は、上げの第1波動となることから第2波動の安値を確認するリズムの形成が必要となる。
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【先人からの伝言】 ~表面的価値と本質~
株式投資には「あれも大事、これも大事」と、多くのことを知ろうとする投資家が少なくない。これは、上手くやりたい一心での結果であろう。ただ、これでは迷い多くなかなか結論が出せず行動に移すことができない。結局のところ、“材料”を頼りに市場へ参入することになる。市場へ参入することは「相場」であり“大海に出る”ことである。
その相場では、「何が本質か?」を考え、本当に大切な事柄を重要視することであろうと・・・。物事、複雑に考えては行動がとれない。シンプルに考えてこそ成し遂げることができるのではないだろうか。特に、株式投資において“利益の追求”には必要であろうと・・・。
「あれもこれも」は結論の分散になってしまう。豊富な知識は必要ないのではと・・・。
結果を出すためには、“アレもコレも”は必要なく、ひとつのことに全力を集中させることが大事かと・・・。悩んでいてはいつまでも迷路からの脱出はできないと思う・・・。
最も大事なのは何かを「探り、考える」ことではないかと。一般的な材料や解説など「表面的価値」に捉われず惑わされず、何が「本質か?」を考え“成長する投資家”を目指すのは如何なものだろう・・・。
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【備考】(1)NYダウ工業株30種(2)ナスダック (3)金利と株価
★備考(1)NYダウ平均(日足)=早期の切り返しが重要=
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前回の「上値追いも反動安値幅に留意」(記:21/8/13)では、以下のように述べた。
「高値(H)35,515ドル(8/13)と上伸したことから、安値(E)を基点に高値(F)、安値(G)を経て三波動で上値をうかがう経過となっている。
ただ、反動安値幅が575ドル(7/8~12)を上回ると1,034ドル程度へつながりやすくなる。この値幅を超えると、1,169ドルないし1,466ドル程度へ拡大する可能性がある。」とした。
実際には、8月16月高値(H)35,625ドルと上伸したあと反落し、安値(I)34,894ドル、下げ幅731ドルと前下げ幅1,034ドルの範囲内にとどまったが、戻り高値(J)35,455ドルと高値(H)を上回らずに反落した。高値(H)から直近安値(K)34,607ドルまでの下げ幅は1,018ドルと前下げ幅1,034ドルに接近している。
よって、現在は前下げ幅水準の34,591ドルの維持が焦点となっており、早期の切り返しが重要となっている。 下値を維持した場合、切り返し値幅が731ドル(H~I)を上回ると、上が幅の拡大につながりやすく、高値(H)を上回ると安値(E)以降の基調を維持する経過となる。その場合、主な上値としては以下の水準が挙げられる。
(1)35,668ドル=G+(F-E)
(2)36,030ドル=F+(F-G)
(3)36,264ドル=B+(B-E)
(4)36,553ドル=27,572ドル(20年6月高値)+8,981ドル
(20/3/23~同6/8)
(5)36,702ドル=F+(F-E)
ただ、下げ幅1,034ドルを超えると下値をうかがう動きにつながりやすくなる。その場合、下値は以下の水準が挙げられる。
(※)34,591ドル=H-(F-G)
(1)34,456ドル=H-(D-C)
(2)34,333ドル=I-(J-I)
(3)34,163ドル=I-(H-I)
(4)34,138ドル=H-(B-E)
(5)33,919ドル=H-(F-E)
★備考(2)ナスダック(日足)=基調維持に着目=
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前回は「騰勢鈍化も基調維持」(記:21/8/13)として、以下のように述べた。
「高値14,733p(7/12)から反落し、下げ幅459pの14,274pを安値に値を戻した。騰勢鈍化も8月5日には14,895pの高値に進んだことから、3月安値(B)12,609pを基点とする第3波動が進行している。ただ、安値(D)以降の上げ基調を維持するには反動安値幅が459p程度に収まることが重要となる。」とした。
実際には、14,895p(8/5)を高値に反落したが、下げ幅370pで前下げ幅459p(E~F)の範囲内に収まる14,525pを安値に切り返した。9月7日には高値(I)15,374pと上伸したあと下げ幅259pと小反落となっている。
よって、現在は3月安値(B)12,609pを基点とする第3波動が維持されている。その場合、主な上値としては以下の水準が挙げられる。
(1)15,409p=6,860p(20/3/23)+8,549p(09年3月安値~20年1月高値)
(2)15,581p=A+(A-B)
(3)15,667p=C+(C-B)
(4)15,882p=10,632p(20/9/23)+5,96p(20/6/23~9/2)
(5)15,976p=F+(E-D)
(6)16,072p=B+3,463p(20/9/23~21/2/12(A))
ただ、反動安値幅が370p(G~H)を超えると、459pの維持に焦点が移る。さらに、同値幅を超えると621p、721p、916p、1,107pなどが挙げられる。
★(3)金利と株価(週足と週末値)=見るから視る・診るへ=
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株価と金利には密接な関係があるとされ、一般的には、「長期金利が下落すると株価は上昇し、上昇すると株価は下落する。」と言われる。21年年初からの金利と株価の関係をみると、金利の年初の急上昇局面では株価も同時に上昇した。その後の金利は3月末日にピークとなった。一方、株価は騰勢鈍化もしばらく上昇し5月初旬にピークとなっている。
また、その後の金利低下局面では、株価は一旦反落しているが、8月月初までの金利の低下局面では、株価は反転上昇し高値に進んだ。その後、金利は8月3日をボトムに緩やかな上昇する推移となっている。一方、株価は8月13日を高値にやや軟調な動きとなっている。
今年2月から3月に、長期金利の上昇は新たな不安材料として指摘され、株高も終焉するとする見方もでていた。
このように、金利と株価の関係は常に一定的なものではないことが言える。過去においても金利が上昇するほど株価が上昇した。一方、金利が低下するほど株価も下落するといった動きがあった。
要するに、理屈に捉われず金利も株価も動体(相場)である以上、柔軟に見て行くことが良いのではないだろうか。
多数ある材料のなかから、一つの材料で相場を判断するリスクを感じたいのだが・・・
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新型コロナウィルスの感染症拡散事態が一日も早く終息し、平穏な日常生活を取り戻せるよう心から願っております。
第五波ではワクチン接種後の「ブレークスルー感染」で圧倒的な感染力のある「デルタ株」が蔓延しましたが第5波はやや減少傾向を見せているようです。ただ、ペルー由来とされる「ラムダ株」や「ミュー株」(コロンビア)などが、次の注目すべき変異株と言われています。引き続き油断大敵!気を引き締めて、とにかく感染しないよう細心の注意を払い、我が身を守ることが第一と。ひいては、他者への配慮になるかと。止まない雨はないといいます。希望をもって今を耐え乗り越えましょう!
オタガイニ(*^-^)/\(^-^*)ガンバロー!
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執筆:長森伸行
≪執筆者略歴≫
元山一證券投資情報部次長・国内で「一目均衡表」チヤート分析の第一人者。元日本テクニカルアナリスト協会セミナー講師で「一目均衡表」を担当。証券業界に50年間携わった重鎮、自立して儲けられる投資家のインストラクター的な存在。
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