裏技?:呼び値を利用した投資(トレーディング)術
会員の皆様が、仮に今現在、30万円の株式投資先をお探しだと仮定します。(売買手数料等勘案せず)
30万円を投資する銘柄として「妥当・適当」である銘柄を選ぶ際には、業績面、テクニカル面、需給面、テーマ性面等をチェックなさる事は、基本中の基本として皆様良くご存じでしょう。
しかしながら、「キャピタルゲイン=値上がり益」を追求するのであれば、株価が上昇する際の「メカニズム」面、中でも「ティックサイズ=呼び値」と、その呼び値に基づいて株価が上昇する際の「エネルギー」についても、銘柄選択の際に、なんとなくでも「イメージトレーニング」なさっておくべきかと存じます。
もっとわかりやすくご説明致します。
例えば、150円の株を2000株買っても、3000円の株を100株買っても、取得金額は30万円です。
しかしながら、150円の株が10%、つまり15円上昇して、165円になる際の「エネルギー」と、3000円の株が10%、つまり300円上昇して3300円になる際の「エネルギー」を比較すると、実は後者の方が遥かに「小さな」「エネルギー」しか必要としない「傾向」が見られます。
言い換えると、「小さな」「エネルギー」しか必要としないので、上昇する際の「速度」に大きく差が出て、150円の株が165円になるよりも、3000円の株が3300円になる方が、「速い」という理論になります。
ここで更に注目していただきたいのが、「メカニズム」面に該当する、市場の「呼び値」の「きまり」です。
下記をご覧ください。
◎呼び値(TOPIX100構成銘柄)
・1000円以下:0.1円
・1000円超~3000円以下:0.5円
・3000円超~10,000円以下:1円
◎呼び値(TOPIX100構成銘柄以外)
・3000円以下:1円
・3000円超~5000円以下:5円
仮に、TOPIX100構成銘柄以外の、150円の株を買って、それが165円まで上昇するには、呼び値が1円刻みですので、151円から165円まで「15回」上値をトライし続けなければなりません。
一方、3000円の株を買って、それが3300円まで上昇するには、呼び値が5円刻みですから、
3005円から3300円まで「60回」上値をトライする必要があります。
ん?
「15回」より、「60回」の方が、「エネルギー」が必要なんじゃない?
いいえ、150円の低位株には1円ごとに数万、もしくは数十万株単位での売り指値が並びますが、3000円の株の売り指値は、数百株~数万株程度が「普通」で、数十万株の売り指値が出るケースは稀です。
つまり、「15回」に比べ「60回」は「回数面」での上値トライ回数は多いものの、「比重面」では「軽く」なる傾向が強いとお考えいただいて宜しいでしょう。
2500円~3000円という株価水準の銘柄が2700円~2800円どころから3000円へと上伸する際、
その上昇速度が上がる傾向が強いのは、3000円超から呼び値サイズが1円⇒5円に変わる事から、3000円超の上伸速度が上がる前に2000円台での買付を終了してしまおう、という心理が投資家に働く為だと考えられます。
特に、アジア圏のヘッジファンドが良く使用する傾向のあるトレーディング方法です。
無料でここまで教えちゃう(笑)、あすなろ投資顧問は会員の皆様のご参考になればと考え、下記の銘柄スクリーニングを行ってみましたので、公開させていただきます。
◎スクリーニング条件
・東証1部上場銘柄
・株価水準2800円~2999円
・PER20倍以下
・PBR1倍以下
・経常利益増益率1%以上
上記スクリーニングを行った結果、抽出された銘柄は13件です。
その中から8銘柄だけご紹介させていただきます。
・太平電業(1968)
・飯田GHD(3291)
・ニッタ(5186)
・日本冶金工(5480)
・リケン(6462)
・大日本印刷(7912)
・ジャックス(8584)
・杉本商事(9932)
執筆:木村泰章
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