注目決算発表ファーストルック2:ファナック・信越化・SCREEN
昨日に続き、本日も取引終了後に発表された決算のうち、あくまでも個人的に目に付いたものだけを下記に取り上げご紹介致します。
昨日取り上げた日立建機(6305)は7%超の大幅高、逆にキヤノン(7751)は一時6%を超える大幅下落と、相場全体のセンチメントも決して小さくありませんので、是非、明日の相場の「温度感」を予測するうえにも、ご参照ください。
・ファナック(6954):2Q業績急拡大も通期連結経常利益を下方修正
業種別指数上は、ファナックは機械ではなく電気機器に分類されますが、やはり機械セクター全般の指標的銘柄と申し上げて宜しいでしょう。
10月27日取引終了後に、22.3月期2Q期累計(4-9月)の決算が発表されました。
連結経常利益は前年同期比2.8倍の1078億円に急拡大しましたが、通期の同利益は従来予想の2164億円から2034億円(前期は1287億円)に6.0%下方修正しております。
3Q以降の想定為替レートは、米ドル105円、ユーロ125円、で円安による利益上乗せは続きそうです。
通期予想の下方修正率は、売上高が2.6%、営業利益が8.7%、経常利益が6.0%、純利益が3.3%となり、理由としては、「半導体等の部品の不足により先行き不透明な状況が続く」としています。
下方修正率の大きい営業利益は、従来予想の1944億円から1775億円に下振れており、アナリスト予想の平均は2000億円超でした。
本日のキヤノンの値動きから連想すると、明日のファナック株だけでなく、機械セクター全般の株価推移にもネガティブなインパクトが広がる可能性があります。
一方で、この下方修正をもって、もしくはこの下方修正を受けて株価が下落すれば、目先の悪材料は一旦出尽くし、と見た向きの買いが流入する可能性も否定できません。
いずれにせよ、明日のファナック株の値動きには注目です。
・信越化学工業(4063):フル稼働状態と説明。2Q絶好調ながら通期見通しは据え置き
10月27日取引終了後に、22.3月期2Q期累計(4-9月)の決算が発表されました。
連結経常利益は前年同期比57.9%増の3035億円に拡大し、通期計画の5000億円に対する進捗率は60.7%に達しています。通期業績予想に変更はありません。
下期の想定為替レートは米ドル110円、ユーロ130円です。
・SCREENホールディングス(7735):絶好調
10月27日取引終了後に、22.3月期2Q期累計(4-9月)の決算が発表されました。
連結経常利益は前年同期比4.4倍の237億円に急拡大し、従来予想の180億円を上回って着地し、通期の同利益を従来予想の410億円から515億円(前期は227億円)に上方修正し、4期ぶりに過去最高益更新見通しとなります。
2Q好調の理由としては「半導体製造装置事業では前年同期に比べメモリー向けの売上が大幅増加」としています。
下期の想定為替レートは米ドル110円、ユーロ130円です。
フル稼働状態の信越化、半導体製造装置事業が絶好調のSCREEN、ともに半導体不足を補う方向性・進捗は確認できるので、となれば、半導体等の部品不足を下方修正の理由に挙げたファナックについても、個人的には、当面の悪材料は出尽くしという目線も念頭に株価推移を注視したいと考えます。
執筆:木村泰章
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