10月の工作機械受注統計(速報):外需、特に中国関連の鈍化は底打ちした印象
先ほど本日の取引終了後に、日本工作機械工業会から10月の工作機械受注統計(速報)が発表されました。
▼日本工作機械工業会受注速報2021年10月分(2021/11/10)
https://www.jmtba.or.jp/wp-content/uploads/sokuhou2110dkjc.pdf
受注総額は前年同月比81.5%増の1492億1800万円と、12カ月連続で前年実績を上回りました。うち内需は前年同月比74%増の502億8600万円と8カ月連続で増加、外需は前年同月比85.5%増の989億3200万円と12カ月連続で増加となりました。
最も目を引くのは、9月に前月比ベースで久々にプラスに転じたいた外需が、今月も引き続き前月比でプラスを維持し、前年同月比でも外需の増加ペースが、9月の61.7%増から10月の85.5%増へと、大幅に改善した事になります。
中国関連の鈍化は目先一旦底打ちしたものと考えて宜しいものと考えます。
▼日本工作機械工業会受注統計2021年9月分(2021/10/11)
https://www.jmtba.or.jp/wp-content/uploads/sokuhou2109bnfr.pdf
機械セクター全般の中で、最も切り返し基調が鮮明となっているのは、建機の代表的存在であるコマツ(6301)と日立建機(6305)です。
特に日立建機は11月1日に一時3785円と年初来高値を更新しております。
一方で、機械セクターにおける指標銘柄のひとつ、ファナック(6954)の株価推移は、10月6日の年初来安値21720円から大きく切り返していたところに、今期業績予想を下方修正し、「往って来い」の形となってしまいました。
ツガミ(6101)の株価も行ってこい、牧野フライス(6135)の株価もしかり、アマダ(6113)の株価もなかなか上を向けません。
自動車生産の回復に関する報道が多くなってきましたので、機械セクターの中でも主に自動車向けという立ち位置で知られるベアリングの最大手、日本精工(6471)の株価は好調かと思いきや、こちらは、日本時間の11月12日の朝発表予定のMSCI定期見直しで、除外対象候補に挙がっている事から、今しばらく頭が重そうです。
しかしながら、部品不足、サプライチェーンの目詰まり感は概ね3Qに改善される見込みで、依然として旺盛な半導体関連及び自動車関連の設備投資需要を背景に、出遅れていた機械セクター銘柄全般は、本格的な出直り基調へ移行するものと考えます。
まだまだ「病み上がり」的な状況ではあるうえ、多分に希望的な観測をも含んではおりますが、個人的には、機械セクター全般に関しては強気見通しを継続したいと存じます。
◎参考銘柄
・コマツ(6301)
・日立建機(6305)
・ファナック(6954)
・ツガミ(6101)
・牧野フライス(6135)
執筆:木村泰章
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