大発会は取引開始前を希望!(個人的意見)
旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。
本年も、「相場はあすなろと共に!」、何卒宜しくお願い申し上げます。
1999年の4月に東証の売買立会場が閉場されて以降、個人的には大納会と大発会に関する興味や「思い入れ」は後退してしまいましたが、1990年に証券業界に飛び込んだ私が、抱き続けてきた感覚は、大納会の文字通り1年の総括セレモニーという雰囲気に反して、大発会が、新年初日の取引の「終了後」に行われる事に対する「違和感」でした。
新年最初のセレモニーなら、取引「開始前」の方が相応しくなかろうか、という疑問です。
9時から通常取引、その前の準備等が必要ならば、例えば7時40分から8時まで大発会をやって、さぁ、今年も1年頑張ろ~、とやった方が「自然」だと思うわけです。
皆様はいかがでしょうか?
大納会が15時スタートというのも、今ひとつ実感が湧きませんでした。
1年の締めくくりの最終売買日にも、取引は15時まで行われるようになって以降、15時の大引け直後は取引報告やらに追われ大忙しな時間帯です。
業務に追われて、気が付いたら大納会が終わってた、というような年が圧倒的に多かった記憶しかありません。
昨年(2021年)の10月、東証は取引終了時間を現行より30分延長し、午後3時半までとする方針を正式に発表しました。3年後の実施を目指していて、取り引きの終了時間が延長されるのは、およそ70年ぶりとなります。
気になるのは、その「背景」と「理由」です。
東証の取引時間は世界の他の株式市場のそれと比べて短く、かつ、東証の時価総額はニューヨーク市場の半分以下で、上海や香港市場の時価総額と大差はなく、その「存在感」は低下しています。また、仮に20年10月に起こったような大規模なシステム障害が発生しても、取引時間を延長すれば、復旧した後に少しでも取引時間を確保する事ができる、という目論見もあった模様です。
東証の存在感が薄れている事や、時価総額が伸びない事は、取引時間を延長する事ではなく、投資対象としてより魅力的な企業を上場させる事によって改善させるべきであり、システム障害については、代替機能の確保と再発防止を図る事のみにフォーカスするべきではないかと、個人的には考える次第です。
会員様各位はじめ、実際の取引参加者の意見よりも、「運営者の都合」的な「建前」ばかりが優先されている印象を、東証はじめ取引所に対して抱いているのは私だけでしょうか?
◎参考銘柄
・富士通(6702)
東証の株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」を提供
執筆:木村泰章
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