定期観測:12月の工作機械受注統計(速報値)
1月13日の取引終了後に、日本工作機械工業会から昨年12月の工作機械受注統計(速報値)が発表されました。
▼日本工作機械工業会受注速報2021年12月分(2022/1/13)
https://www.jmtba.or.jp/wp-content/uploads/sokuhou2112wcvji.pdf
「前年同月比」では依然高水準を維持しているものの、「前月比」ベースでは、受注総額・うち外需が共に2か月連続で減少しています。
直近3か月の受注速報推移は下記のとおりです。
・受注総額:10月は前月比103.2%⇒11月は前月比97.4%⇒12月は前月比95.7%
・うち外需:10月は前月比113.7%⇒11月は前月比96.6%⇒12月は前月比92.0%
機械セクター全般の株価は、概ね、底入れから切り返し局面に移行しておりますが、例えば、本日のファナック(6954)の下落は全体相場と比べて深めの下落になってしまいました。これはこの工作機械受注の速報も影響しているものと推察致します。
牧野フライス(6135)とツガミ(6101)の切り返しのチャート形状はそっくりです。
直近の下落は全体相場の調整の連れ安と判断しておりますが、上掲のとおり工作機械受注速報も若干は影響しているかもしれません。
逆に、建機の代表的存在であるコマツ(6301)は、年明け以降順調に上昇を続け、本日は昨日に続き、終値でも3000円台を維持しています。
一番出遅れ感の強かった、ベアリングの最大手、日本精工(6471)の株価も、75日移動平均線を上回っての展開が継続しております。今期の税引き前利益が下方修正されて以降、むしろ、悪材料出尽くし感が台頭した事が株価底打ちの呼び水になった印象です。
12月の工作機械受注速報は、決して内容が良いものではありませんでしたが、逆に、それが悪材料出尽くし感的に受け止められる可能性が高い、という点を会員様各位にお伝えしたいと存じます。
◎参考銘柄
・コマツ(6301)
・日本精工(6471)
・ツガミ(6101)
執筆:木村泰章
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