株価推移から買い手のストラテジーを推察する:全体相場大幅下落の中で建機が強い
地政学リスクの高まりから、大幅安の展開となってしまった本日の日本の株式市場。
その中にあって逆行高となっている銘柄はさすがに目を引きます。
午前中に最初に、ん?と思ったのが、小松製作所(6301)の堅調さ。
9時半頃に全体相場が急落した際にはさすがに売られましたが、10時半頃からはプラスサイドに浮上。
そのまま買い基調が腰折れする事なく堅調な株価推移が続きました。
同じく建機メーカー大手の日立建機(6305)も、ほぼ同様の動きで前場の終値はプラス圏。
住友重機(6302)は朝方のプラス圏まで戻れませんでしたが、前場に1.5%超の下落となったTOPIX、同2%超の下落となった日経225より、下落率は1.3%程度と比較的軽微でした。
一方で、業種別指数で「機械」に含まれる銘柄群144社のうち120社程度は下落しています。(前引け時点)
唯一、大幅上昇となったのは三菱重工業(7011)で、これは国内大手証券による格上げと、「防衛関連」としての連想による、買いが流入したものと思われます。
コマツや住友重機も、「防衛関連」として物色された可能性も完全には否定はできませんが、このような地合いの中で、これらの大型主力株を短期目線の個人投資家が買ったとは思えません。
加えて、日立建機は「防衛関連」に含まれないケースが一般的です。
同時に、上掲のように「機械」セクターの2割近くが下落しているので、「機械セクターの買い」というストラテジーに沿ったものでも無いように思われます。
となりますと、残る「ありえそうな仮説」は、「機関投資家が重機を買っている」となりましょう。
では、なぜこの局面で今「重機」を買うのか?
これまた「仮説」の域を出ませんが、考えられそうな「背景」としては、やはり資源高を受けての「鉱山」に使用する、というストーリーです。
資源高を受けて、短期目線の投資家が多数流入しているであろう資源関連株そのものではなく、「ならでは」的に「重機」を買おうという連想は、なんとなく理解できそうです。
逆説的に「妄想」するのならば、機関投資家が「重機」を買うのであれば、資源高は長引く可能性があります。
資源高が長引く背景は、地政学リスクが長引く可能性をも示唆しているのかもしれません。
今のところの相場環境を鑑みても「買える」セクターとしては、「資源・エネルギー」「重機」以外には、やはり海外の地政学リスクの影響を受けなそうな、日本国内でビジネスを完結できる「内需」「非製造業」というスタンスが宜しいものと考えます。
不安定な相場が続く中で、散発的に「メタバース関連」や「DX関連」、「ソフトウェア関連」や「IT/SNS関連」が物色されているのは、そんな背景があるものと考えます。
個人的には、大型主力バリュー株よりも中小型グロース株を。4月の市場再編を控えインデックスイベントの行方が読み切れない東証1部(プライム)ではなく好業績新興市場株を。グローバル企業では無く内需を。製造業よりはサービス業を、物色対象としては優先したい局面かと存じます。
執筆:木村泰章
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