本当にあった話:驚きの銘柄選択手法:カタカナ縛り<Part.1>
本日と明日の2回に分けてご紹介します。
明日の<Part.2>では私がウオッチしている銘柄もご紹介しますのでお楽しみに。
さて、証券会社勤務時代に、私が実際に経験した「本当にあった話」です。
トレーディングデスクが香港にある、アジア市場での存在感が目立つヘッジファンドのトレーダーとのある日の会話。
具体的な銘柄名は避けますが、ある日本を代表する精密機器メーカーについての、所属していた証券会社のアナリストの話をご紹介すべく電話をすると、3分も経たないうちにこう言われました。
「木村、ウチは絶対リターンを目指すヘッジファンドだぞ。ストーリー(話の内容)自体がフレッシュである事はもちろん、銘柄そのものもフレッシュでないとサプライズが無い。
変化率は結局のところサプライズとリンクする事こそが多く、ならば、30人のアナリストがカバレッジしている銘柄の話は、フレッシュでも無いしサプライズも無いと思うよ」
う~む。。。
「聞いた事の無いストーリーを、聞いた事の無い銘柄こそを、一番最初に教えて欲しい。
少なくとも、社名が漢字の企業については、興味深い話が出てくるとは思えないね。」
え~っ!カタカナ&アルファベット銘柄縛りですか?
しかしながら、よく考えなおしてみると、確かに頷ける面も多いように思います。
既に成長しきっている日本を代表する大企業製造業よりも、これから大きな成長が期待できる新興企業の業績変化率の方が大きくなる傾向はあるでしょうし、そうした新興企業には、確かに「漢字」の社名は少ない印象です。
シャープだって前身は早川電機だったし、オムロンだって前身は立石電機だったし、時勢の変化に伴って「脱漢字」に舵を切った企業は少なくありません。
「漢字の社名のまま」の企業や銘柄には、成長や変化を感じられないという指摘も、なんとなく的を得ているようにも感じた次第です。
あくまでも、単なる一例として、こんな感じのイメージでしょうか。
・日本駐車場開発(2353):漢字:ヘッジファンドは嫌いかも?
・パーク24(4666):カタカナ+数字:ヘッジファンド好みかも?
ただ、上掲の2社を「比較」してみると、実はパーク24の方が創業も上場も先です。
パーク24はグローバル展開している一方で、日本駐車場開発は「内需」重視。
駐車場事業のシェアは、パーク24が8割超である一方、日本駐車場開発は1割未満と大きく開きがあり、売上高の比較でも日本駐車場開発はパーク24のおよそ10分の1です。
ん?じゃあ、日本駐車場開発こそがパーク24との「比較」では「新興企業」じゃないの?
はい、まさにそのとおりです。
「カタカナ&アルファベット銘柄縛り」というイメージ先行のスクリーニングだけでは、決して正確な「成長株」の銘柄選択にはつながりません。
単なる「異色」の「切り口」に過ぎないわけです。
「アイデア」や「着眼点」的には面白くとも、実際に投資シナリオ、実際の投資行動にまで結びつけるには、全体相場との相対感「比較」も、同じような銘柄群の中での「比較」も重要になってきましょう。
なにより、ヘッジファンド好みの銘柄だから、という理由だけで株価上昇が期待できるわけでもございません。
本日はここまでとさせていただき、明日は、敢えて「カタカナ縛り」という銘柄群の中で、テクニカル的な「比較」を行ってみたいと存じます。
◎参考銘柄
日本駐車場開発(2353)
パーク24(4666)
執筆:木村泰章
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