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あすなろ投資顧問

2022-10-15 09:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

経常利益を英語で言うと?:リカーリングというワードが流行しそうな兆しアリ

週末・休日版コラムでは、銘柄や相場や経済についての直接的な話ではなく、むしろ、離れたところからの目線でお話ししますが、最後は株式投資にもつながるような話もご披露したいと思います。
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。

決算発表シーズンの「前哨戦」がスタートしました。
これから11月半ばにかけ決算発表が相次ぎます。
本日は、決算短信で重要視される事項のひとつ、「経常利益」は英語ではどう「表現」されるべきなのか、というところを私の過去の経験からご紹介すると共に、リカーリングというワードと概念が今後も流行しそうである事をご紹介したいと思います。

単純に「経常利益、英語」と検索すると、「Ordinary Income」と表記するのが一般的である事が窺えます。
しかしながら、外資系証券会社で15年以上勤務した私の見解は、ちょっと違います。

まず、金融界では、「利益」の事を「Income」とは表現しません。
「Profit」の方こそ、もしくは「Revenue」の方が一般的でしょう。
ゆえに、「営業利益」を英語では「Operating Profit」と表現される事が一般的です。
略して「O.P」と称される事も多く、本業の儲けを示す極めて大事な指標です。

「利益」を「Profit」と英語表記する事が一般的なのであれば、
「経常利益」は「Ordinary Profit」ですから、こちらも略すと「O.P」になってしまいます。
営業利益なのか経常利益なのか紛らわしいですね。

実は、「経常利益」という概念は、海外の決算指標においては一般的では無く、日本固有の指標と認識されています。
これを海外投資家や、日本の金融機関で働いておられる外国人の方々の間では、英語で「Recurring Profit=リカーリングプロフィット」と表現する事が一般的です。
むしろ、「Ordinary Income」などという表現を、私は証券会社勤務時に見た事も聞いた事もありません。

さて、この「リカーリング」というワードと概念は、今や日本においても一般的なものとなりつつあります。
実際、昨日開催されたソニー・ホンダモビリティの発表会においても、何度となくこのワード=言葉・表現が繰り返されておりました。
https://1376partners.com/blog_kimura?year=2022&month=10&date=13

「リカーリング」の直接的な意味は「繰り返し」です。
「リカーリングビジネス」の始まりはヒゲそりの「替え刃」、代表的な例としてはプリンターの「交換インクカートリッジ」も有名です。
似ている概念としては、近年広く認識されるようになった「サブスクリプション」がありますが、「サブスクリプション」は一定期間使用し放題の「権利」に対して料金が発生するのに対し、「リカーリング」は主に消耗製品や継続サービスを、定期的に「利用」する際に料金が「都度」発生します。

他方、近年ではSDGsというワードも、株式投資テーマのひとつと目されるようになってきました。
SDGs=Sustainable Development Goalsは「持続可能な開発目標」との意です。
奇しくも、ここにも「続」という概念が登場します。

はい、つまり、「継続」や「持続」や「繰り返し」、「リカーリング」や「サブスティナブル」こそが、これからの世の中のキーワードであるわけです。
まさに「継続は力なり」ですね。
なのに、株式投資はいつも「短期目線」だけじゃ、ちょっとおかしいような気がするのは私だけでしょうか。。。



執筆者:木村泰章

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