結論から先に申し上げます。
「ソニー自体の決算発表はインライン（想定線）で株価にはニュートラルと見る」
「一方で、相場全体に与える影響は、過度な悲観論の巻き戻しという面でプラスと見る」

ソニーグループ（6758）は昨日の取引終了後に、今期（23.3月期）2Qの決算を発表しました。
・ややポジティブ面：今通期の連結営業利益見通しを、1兆1100億円としていた従来予想から500億円引き上げました。
・ややネガティブ面：市場コンセンサス（IBESがまとめたアナリスト25人の予想平均値）は1兆1780億円だった模様です。
・ポジティブ面：上方修正の背景は円安による単なる為替差益ではなく、事業構成自体に不況抵抗力が強い印象です。
・ネガティブ面：ゲーム事業は2四半期期連続で下方修正でした。

つまり、ソニーにとって、500億円程度の数値のブレは「誤差」の範囲内であり、
この決算発表の数値内容が株価にインパクトを与える可能性は低いものと見ます。

一方で、「インライン＝想定内」ゆえに、先行きに関する「過度な懸念や悲観論」は大幅に後退するものと思われます。

となると、ソニーの株価に対してよりも、相場全体の投資マインド・センチメントに対するプラス作用の方こそ大きいのではないかと考える次第です。

少し飛躍し過ぎかもしれませんが、ここが、今こそが、日本株にとっても、米国株にとっても、投資マインド・センチメントの改善につながるターニングポイントとなりえよう、と考えます。

例えば米国では、足元＋目先の市場の「関心」が、「利上げペース」⇒「主要企業の決算発表」へとシフトしているものと見ます。
ゆえに、11月だけでなく12月も、FOMCは既に市場の興味の対象外となりつつある印象です。

日本国内に目を向けると、主力級大型株の決算が続くので、これまで市場の下支え役として機能してきた、もしくは、「代替的投資先」として機能してきた銘柄群から、資金循環が一旦主力級大型株へと戻る事が想定されます。

つまり、足元・目先は一時的に、
「インバウンド関連/メタバース関連⇒電気機器・電子部品関連/半導体関連」
というような資金循環が起こりやすいものと考える次第です。

昨日のソニーや、先日の村田製作所（6981）の決算発表後の株価の動きに代表されるように、決算発表内容良し悪しに関わらず、まずは、「行き過ぎた悲観論の巻き戻し」＝「売り手の買い戻し」が市場に流入しましょう。
次に、機関投資家勢を中心に「選別物色」が行われ、「業績面の再評価」による「純粋な買い」が流入し、さらには、売り方の「ショートスクイーズ」を巻き込み、最終的には売り方が「ドテン買い越し」に転じる可能性もあろうと考えます。

会員様各位の保有銘柄群が、仮に、中小型成長株が多いとすれば、そこへ上掲のような「循環物色」の矛先が向かってくるのは、もうちょっと先となるかもしれません。
つまり、今は「順番待ち」の段階とご認識いただいて宜しいように思います。

弊社が、相場全体に対しても、個別の推奨銘柄群についても、強気シナリオを貫いている背景は、つまりそういう事です。
引き続き強気目線で株式投資にお取り組みください。

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　個人的に気になっている銘柄
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◆デクセリアルズ（4980）
旧ソニーケミカルです。
好決算＋業績上方修正を発表したのに、株価は続落中。
切り返し時の反動は大きそうです。

◆パナソニック HD（6752）
決算発表を機に底打ち⇒切り返し。
典型的な悪材料出尽くしパターン。

◆エンプラス（6961）
こちらは既に「再評価の買い」が流入中と見ます。
再上方修正があるかも？

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆ユーザベース（3966）[情報・通信]
業務提携のニュースを材料視して上昇。
動意の初動段階という印象です。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村泰章のゴールドメソッド銘柄-PREMIUM-（****）≫
じわじわっと持ち上がってきました。
決算発表が楽しみです。

◆≪穴株発見！宝石箱銘柄（****）≫
節目と見られる●●●円を目指した動き。
相場全体の切り返し基調と相まれば一気に上抜けもありそうです。

◆≪木村泰章のSSS級銘柄（****）≫
上げないように、下げないように、誰かが買い集めているかのような印象です。
怪しいですね。


執筆：木村泰章