あすなろコラム 「 銘柄アカデミー あすなろ校 vol.9」 ■ 今週のニ ュー ス オ ピ ニ オ ン ■
〜今週のニュースオピニオン〜
《マーケット編》
?OPEC総会
今回の石油輸出国機構(OPEC)総会は任意の生産を事実上容認する方針を維持しました。事前からイランの増産凍結合意は至らないだろうとの見方はありましたが、生産上限枠を設ける提案も退けられたことにより、一旦はリスクオフへの懸念が広がりました。
原油在庫が緩んだことと、これまでの原油相場の上昇により中東産油国の懐事情が温められたことが奏功したのかもしれません。
以前としてサウジとイランの緊張関係は続いている他、世界の石油備蓄は過去最大の水準に留まっており、油断はできません。カナダやナイジェリアの生産停止も一時的なものになるに違いありません。
原油相場の市場に与えるインパクトは引き続き大きいことから、今後も動向をウォッチしておく必要がありそうです。
?国内企業の身売り・事業売却加速、過去10年で最高ペース
難局を乗り越えるために事業売却する一方、海外需要を取り込むための買収姿勢も活発化しています。
最近は不正会計問題で赤字転落した東芝(6502)をはじめ、燃費不正が明らかになった三菱自動車(7211)、負債が膨らんで経営再建を断念したシャープ(6753)は台湾の鴻海精密工業の傘下で再建への道を歩むことになりましたね。
《ニュースピックアップ編》
?安倍首相、消費増税延期を表明
安倍首相が消費増税を2019年10月まで2年半延期することを正式に発表しましたね。内容に関しては事前の各メディアの報道通りで、大規模な補正予算を打ち出すなど市場が期待した具体的な経済対策への名言はありませんでした。
消費増税の先送りによって、日銀による追加緩和も見送られるとの思惑から、為替は円高にすかさず反応しました。
まさにサミットを無難に通過した矢先に円高に攻められた格好で、安倍首相におかれては消費増税を延期する以上、経済に軸足を置いて舵取りを行っていただきたいものです。
?骨太方針・1億総活躍プラン決定
政府が5/2に発表したプラン内容は概ね外堀を埋めるのに終始している印象でした。
【雇用・労働】⇒負担の公平化にばかり目がいき、成果報酬の内容を盛り込んだ労働基準法改正案は見送られました。無難で人気取りな面が垣間見えますね。
・同一労働同一賃金に近づける法整備
・長時間労働の是正
・高齢者の就労機会の確保
【規制改革】⇒民泊の規制緩和にあたりホテル不足の解消や、旅館客の減少、インバウンド消費の地方波及などの新たな課題の解決策を見出せるか!?
・牛乳、乳製品の生産・流通の抜本的改革
・民泊の全面解禁
【競争力】⇒市場のテーマになりやすい競争力分野は実現可能性は低いもののイノベーションの観点からは期待の大きい分野。同時に起業しやすい環境整備も推進してほしいです。
・IoTなどを活用する第4次産業革命
・サービス産業の生産性向上
・高度外国人材の受け入れ
【社会保障】⇒高齢化社会の現状を踏まえると予算配分が高齢者に偏るのは致し方ないところではあるが、やはり将来の国力を考えると少子化対策、教育分野への配分を重視した政策に転換してほしいですね。
・17年度末までに待機児童ゼロ
・介護休業給付の給付率引き上げ
・給付型奨学金の創設
?絶対に儲かる!?「確定拠出年金」制度
5/24に「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」が可決成立したことにより、加入対象者が大幅に拡大されます。
確定拠出年金がなぜ儲かるのかというと、掛け金が所得控除の対象となるため、それぞれの税率にスライドした節税が見込めるためです。
これまで加入資格がなかった主婦層(国民年金第3号被保険者)でしたら拠出限度額は年間276,000円、会社で企業型の確定拠出年金に加入しているサラリーマンであれば年間240,000円になります。世帯で見た場合、年間50万円近くの影響が出てくるのでこれは検討する価値がありますね。
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