株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2023-03-02 14:30:00

アナリスト木村の銘柄研究部

中国経済が回復すると何がどう変わるのか?

昨年1年間は、米国のインフレ抑制の為の利上げ、その後の景気後退リスクに身構え、日本の株式市場もなかなか切り返せない展開が続いておりましたが、市場はそろり、「その先」を見据えた期待感から、個別銘柄には散発的な株価反転・上昇が示現し始めました。
その背景と目されるのが、米国と共に世界の景況感に影響を及ぼす、中国経済の回復期待です。

中国国家統計局が1日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、景況改善・悪化の分岐点と目される50ポイントを上回り、52.6と1月の50.1から予想以上に上昇し、【2012年4月以来およそ10年ぶりの高水準】を記録しました。
事前の市場予想の中央値は50.5でした。

新型コロナウイルス規制解除に伴い、生産が増加していることが背景と見られます。
内訳では、家具、金属製品、電気機械設備が大幅に改善。
この日発表された 財新/S&Pグローバルの2月の中国製造業PMIも、7カ月ぶりに好不況の分かれ目である50を上回りました。

また、2月の非製造業PMIは56.3と、前月の54.4から上昇し、21年3月以来の高水準。
非製造業部門に含まれる建設は56.4から60.2に上昇。
インフラ支出や不動産デベロッパー向け融資の拡大が寄与した形です。
サービス活動は引き続き拡大し、輸送・宿泊部門が改善しています。
製造業と非製造業を合わせた総合PMIは56.4で、前月の52.9から上昇しました。

中国は昨年12月、新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を放棄。その後の感染拡大が和らぎ、春節連休後の事業活動再開を受けた景気の持ち直しを今回のPMIは示していると言えましょう。
今月5日には北京で全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕し、【今年の経済成長目標が示される見込み】です。

原油相場は、世界第2位の原油消費国である中国の需要回復期待に支えられる形で、足元で再度上昇傾向が見られます。

さて、会員様各位は、「日経平均」ではなく、「日経中国関連株50」という株価指標をご存じでしょうか?
既に、21年6月で算出終了となっていますが、構成銘柄には、中国での売上比率が大きい主力級大型株が名を連ねていました。
業種別で多いのは、「電気機器」と「機械」と「化学」。
ご参考までに、直近(2022年10月調査)の、中国の売上比率が大きい上位15社をご紹介しましょう。(出所:マネーポストWEB)

当然ながら、この比率は企業戦略等によって常に変動しますが、
トップ3はほぼ不変です。
・TDK(6762) 50%超
・村田製作所(6981) 50%超
・日本ペイントHD(4612) 40%程度

続いて売上比率が3割超の企業群です。
・ピジョン(7956) 約35%
・日東電工(6988) 約35%
・資生堂(4911) 30%程度
・ファナック(6954) 30%程度
・ニコン(7731) 30%程度
・東京エレクトロン(8035) 30%程度

売上比率が2割超と目される企業はこちら。
・日本電産(6594) 約25%
・SMC(6273) 約25%
・ファーストリテイリング(9983) 20%程度
・日本精工(6471) 20%程度
・東レ(3402) 20%程度
・住友化学(4005) 20%程度

最後に下記企業も中国関連と目される事が多く、中国経済の影響を受けやすいものと目されます。
・TOTO(5332)
・ダイキン工業(6367)
・ナブテスコ(6268)
・コマツ(6301)

中国経済が回復期待となれば、上掲のように原油相場が上昇に向かったり、中国の売上比率が高い企業群の業績拡大が見込まれ、株価の上昇につながる事となりましょう。
さらには、こうした製品取引の増加に伴い、商社や運輸や倉庫といった企業群の株価も強含みとなりましょう。

東京エレクトロンの株価推移がそこそこ堅調な一方、レーザーテックの株価は下向きなのは、「半導体関連」という見地では無く、ひょっとすると、中国の景気回復期待の業績に対する「感応度の差」なのかもしれません。

三越伊勢丹HD(3099)の株価が堅調推移なのは、「小売り」という見地では無く、インバウンド復調の原動力である、「中国関連」との見地からの買いが背景かもしれません。

コマツやTHK(6481)の株価上昇も、中国関連となれば機械セクター、との連想が働いているものと思われ、つまりは、「中国関連」が、この後の株式市場のテーマとして「再急浮上」する可能性を示唆しているよう思います。

今月5日に北京で開幕する全人代において、中国当局から、どんな今年の経済成長目標が示されるのか、この点こそを目先の株式市場の重要事項のひとつとして注目したいと存じます。



執筆:木村泰章

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 個人的に注目している銘柄
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◆昭和真空(6384)
(中国が主要マーケット)
◆千代田インテグレ(6915)
(中国でOA機器好調)
◆津田駒工業(6217)
(インド&中国が主要市場)

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 私のコラムで紹介した銘柄
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◆岡本工作機械製作所(6125)
当コラムで初めてご紹介したのは昨年10月の半ばで株価は4400台。
本日は一時昨年来高値となる5570円を付けています。

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 単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村泰章のザ・カリナンダイヤ銘柄(****)≫
想定どおり、「アノ水準」を上回るタイミングで、株価の上昇速度が加速しました。
数日中にも第1ターゲットをクリアしてくるかもしれません。

◆≪木村ゴールド会員銘柄(****)≫
何度も上値を試しては反動安という繰り返しで、そのうちビヨ~ン!と上抜けるものと楽しみにしております。

◆≪ミッション・イン・ダブルテンバガー銘柄≫
上値追い基調が継続中。
フォローメールをご送付申し上げましたのでご確認ください。

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