株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2023-04-28 17:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

カレンダーリスクに関する考え方:株価上昇リスクへの備えもお忘れなく!

中小型成長株群全般の指標とされるマザーズ指数が、なんとか750ポイント近辺を保っているものの、上向きの方向感が感じられるわけではなく、下がらないけれど上がらないという、典型的な保ち合い相場の様相を呈しております。
決算発表シーズン、かつ、大型連休目前ですので致し方ありません。
崩れているわけではなく踏ん張ってはいるとの印象ですので、基本的には、ここは保有ポジションを「現状維持でご辛抱」いただく局面とご認識ください。

こうした、じれったい相場展開の中では、通常時にも増して、「ポートフォリオ=保有銘柄群の全体像」の「調整」が必要であるか否かをご一考いただき、基本的には大きく「変更」を加える事無く、現状維持を第一義とすべきであると考えます。
保有なされている個別銘柄群を、個別にひとつずつ、単一的に売り買いする事を目指すのではなく、全体像を捉えて、「調整」やリバランスの必要があるかどうかをチェックする、というスタンスで宜しいものと存じます。

目下のところ、弊社にご相談いただく内容で最も多いと思われるものは、「なかなか株価が上がらないけれど、大型連休や決算発表を控え、このまま何もしなくて良いのか?」という類のご相談です。
上掲の「調整」に該当するものに、「株価を上げるカンフル剤」的な手法は存在しません。

株価上昇は「期待し」「辛抱する」以外に「ウラワザ」なるものは存在しない一方、株価下落リスクに関しては、ポジションを縮小・解消する事である程度そのリスクを軽減できます。
ゆえに、「カレンダーリスク」(GW等の大型連休/決算発表集中シーズン/大きなイベントや指標待ち等)を軽減する為に、それより以前でのポジション低減を狙う事がセオリー視されているわけです。

しかしながら、株式投資における「リスク」は、「下落リスク」だけではありません。
必要以上にリスクオフしてしまうと、株価の上昇時には、いわゆる「持たざるリスク=上昇リスク」を回避できなくなってしまいます。
足元の「大きく上昇していないけど大きく下落しているわけでもない」相場展開は、「カレンダーリスク」に起因しているものと考える事が一般的ですが、同時に、株式投資の「常」である、「株価下落リスク」も「株価上昇リスク」も孕んでいます。

そこを無理やり、「リスクオフ」気味にポジション解消に動くと、「カレンダーリスク」が終息した後の、「株価上昇リスク」が増大してしまいます。
ましてや、もともと保有していたポジションを、無理やり解消した後に、全面高などという局面を迎える事となれば、後悔の念ばかりが強まってしまいましょう。

混同したり、誤認していただきたくないのは、「カレンダーリスク」はいわゆる「一過性及び時間軸的」なリスクに該当し、「下落リスク」や「上昇リスク」といった、「継続性のあるトレンドや方向感」とは別モノのリスク、という点です。

やや乱暴な印象ながら極論を申し上げれば、今現在、会員様各位にご対応いただくべき事は、「カレンダーリスク」に関する対応がメインで、「株価下落リスク」を過度に心配し過ぎると、「株価上昇リスク」に関する対応を忘れてしまいがち、という点にこそ警鐘を鳴らしたいと存じます。

「カレンダーリスク」を回避すべく、「無理なく利益確定ができるポジションは利食い売りを経て縮小」したのであれば、併せて、「株価上昇リスク」をも回避すべく、大型連休明けには、直ぐにでも縮小したポジションそのもの、もしくはその代替的な新規ポジションを構築するスタンスが「妥当」と考えます。


執筆:木村泰章

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