株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2023-07-14 15:30:00

アナリスト木村の銘柄研究部

プライム市場⇒スタンダード市場移行申請が再び増加中

弊社が度々お伝え申し上げてきた、プライム市場企業群の「離脱・降格」問題。
7月の3日~7日の週は、スタンダード市場移行申請開示はゼロでしたが、7月10日~14日の週は5社が申請を行った事を開示しました。

・ワッツ(2735)7月10日
・アビスト(6087)7月12日
・AVANTIA(8904)7月13日
・リブセンス(6054)7月13日
・東名(4439)7月13日

日経新聞が7月12日の朝刊一面で報じた、「プライム離脱 48社意向」との記事が、
プライム市場の上場維持基準を一部でも充たしていない企業の決断を促した可能性もありましょう。

私がTDnetのデータを基に独自に集計している、10月以降スタンダード市場に移行するプライム市場企業群の数は、7月13日17時時点で51社に及んでいます。
日経新聞で大々的に報じられたことから、ここから先は、プライム市場上場維持にこだわり続けた企業群が、「言い訳」的にプライム上場を「あきらめやすい」状況へと転じる可能性もあり、今年9月の特例措置(申請すればほぼ審査無しでスタンダード市場に移行できる)の期限までに、移行組の申請開示が続くものと想定します。

弊社がこの動きを注視し続けているのは、移行組の個別企業の株価動向そのものよりも、プライム市場銘柄群=TOPIX構成銘柄群が、大挙して同時に離脱する事による、TOPIXの「波乱」です。
すなわち、TOPIXをベンチマークとして、巨額の投資資産を運用する機関投資家勢が、どのタイミングで、どのような投資行動を取ってくるかを、想定するのが困難である点を「リスク」と見ます。

TOPIXパッシブの運用資産規模はTOPIX時価総額の20%程度の想定で、87兆円程度(6月末時点)と試算される事から、
この動向を注視する事が必要となりましょう。
TOPIX構成銘柄数=プライム市場上場銘柄数は6月末時点で2157銘柄ありますが、仮に100社が離脱するとなれば、4.6%にも及ぶ銘柄数がTOPIXから除外される事になります。

やや乱暴な申し上げ方である点はご容赦願うとして、例えば日経225銘柄が、いきなり215銘柄に減少したら、日経平均という株価指数の整合性自体が保てなくなってしまう事は想像に難く無いでしょう。

この、TOPIXから一挙100銘柄除外という未曽有の事象に伴う「トラッキングエラー」を回避する為に、機関投資家勢が何をやってくるのか?
わからないからこそ「不確実性の増大=リスク」と見るべきだ、というのが今のところの私の持論です。

一方で、移行組の多くは、時価総額面でもTOPIXに関するウエイト(寄与度)はさほど大きく無い企業群と目される事から、機関投資家勢が移行組の銘柄群を現物保有している可能性はさほど大きく無い事も想定されます。
こちらもやや乱暴な表現ながら、「端っこ」の100銘柄がTOPIXから除外されても、大きな「波乱」にはつながらない、という見解を示している市場関係者も少なく無いわけです。

ただ、下記のようなリスクイベントと「複合的」に絡み合った場合は、やはり、TOPIXの波乱というシナリオこそを、なんとなくでも認識しておく必要がありましょう。
・日経平均は29500円まで一旦下落調整する可能性アリ:今年5月以降の「スピード違反的」急伸局面の調整
・主力級大型株群(特に半導体関連銘柄群)は決算発表を機に下落調整する可能性アリ:今期減益計画の企業が多い一方で株価上昇が続いた事の調整

会員様各位のポートフォリオは、中小型成長株群・グロース株群の比重が大きいものと思われますので、当然ながら、こうした銘柄群も上掲のようなリスクイベントに際し、ある程度の「連れ安」懸念はあるものの、相対比較的には影響は軽微と考えられましょう。

今のうちは、中小型成長株群・グロース株群の保有ポジションをガチHOLDし、日経平均やTOPIXの下落調整が完了したら、
中小型成長株群・グロース株群を利食い売りしながら、今度はバリュー的な側面をも持ち合わせた、プライム市場の「端っこ」や中型位に位置する銘柄群をも物色対象に加えつつ、ポートフォリオを「一新」するというスタンスが宜しいように存じます。

こうした「一新」のタイミングやポイントについても、全体フォロー等で随時ご提言申し上げる予定です。
日経新聞よりも先に、プライム市場企業群の大量離脱見込みを会員様各位にご紹介した、あすなろの情報発信に今後もご注目ください。



執筆:木村泰章

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 個人的に注目している銘柄
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◆大林組(1802)
売り目線で監視中です。
今期の連結経常利益は22%減益計画。
5月連休明けにこの減益計画が示された際には株価が急落。
その後の上昇は同社の個別要因では無く、全体相場に引っ張られた点が大きいものと見ます。

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 私のコラムで紹介した銘柄
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◆ビーウィズ(9216)
5月の終わりに1800円台半ばでご紹介しました。
本日の株価は一時2599円と年初来高値を更新しています。

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 単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村のレッドダイヤモンド銘柄-PREMIUM-≫
ご心配無く。
来週の逆襲に期待致しましょう。

◆≪木村のプラチナメソッド銘柄【逆襲】≫
フォローメールを配信させていただきましたのでご参照ください。
強気見通しに変更無く、来週は買い増しチャンスとなりましょう。

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