当コラムでは、相場の全体感だったり、株式投資に臨まれる際のスタンスだったり、「総論系」の話が多くなりがちですが、「銘柄研究部」と謳っているので、当然ながら個別銘柄についての「各論系」のお話も、度々ご紹介申し上げてきたつもりです。

あくまでも、お取り組みを推奨するものではなく、長期目線で「ウォッチ＝監視」しておいて、全体感との兼ね合いも考慮しながら、売買の「イメージトレーニング」や「シュミレーション」の材料としていただければ幸いに存じます。

本日のお題目は、「全体相場の下ブレ時に連れ安したら狙いたい銘柄」です。
つまり、今現在は「買えない」と判断しており、かつ、かなり長期での保有を前提としています。
無料でご紹介しますが、「推奨」では無い点は重ねてご理解・ご認識ください。

★ザインエレクトロニクス（6769）★
ファブレス半導体企業です。

ファブレスとは、自らは製品の設計やマーケティングや販売などに特化して、生産は外部（他社）に委託する形式で、自社ブランド製品を生産する仕組みを指します。
半導体業界でファブレス企業として有名なのは、米国のクァルコム、サンディスク、ブロードコム。
日本のファブレス半導体企業としては、ザインエレクトロニクスとメガチップス辺りが筆頭と目されます。
国内販売が7割でおよそ2割が中国向けです。

LSI事業（LEDドライバIC、電源ユニット、液晶モジュール、IoTデバイス、半導体設計）が77％、AIOT事業が23％という事業構成です。
LEDドライバICとは、LEDの電流と電圧を制御するために使用される回路の事を指します。
LEDドライバIC卸業界の国内マーケットシェアは、ザインがトップで30％超、豊田通商の27％、レスターエレクの11％となっています。

DX進展→ITコンサルティング需要増加→パソコン需要増加→LEDドライバIC需要増加が期待される事、同様に電源ユニットも、画像処理LSIも需要増加が見込まれる事から、AIによると、同社の5年後の営業利益予測成長率は269％増益との試算がなされています。

ここまでの「概要」を見る限り、株価推移は右肩上がりか？と想定する会員様も少なくないでしょう。
しかしながら、実際の株価推移は過去7年ほどの間、概ね600円～1400円のレンジで上下し、「ほぼ横ばい」です。
直近の安値は3月の793円、およそ1年前の8月の高値は1209円で、現在の株価は850円近辺。
「ほぼ底値圏」と見て宜しいでしょう。

しかしながら、中国向けの販売が2割近くに及んでいる事から、目先は中国の景気減速・停滞が業績の足を引っ張る懸念がくすぶります。
軍事目的に転用が可能な電気機器や電子部品の輸出規制の影響と行方も気になるところです。
今上期決算は連結経常利益は前年同期比59.7％減で、通期計画の7億円に対する進捗率は38.6％と見劣り感が払しょくできません。
株価はほぼ底値圏にあるものの、本格的な切り返しにはまだもう少し時間を要しそうな印象です。

一方で、有配企業ですので配当を貰いながら長期保有を覚悟すれば、上述のような5年後の営業利益予測成長率は269％増益見込みという点は、投資対象として「適格」であろうと見ます。
本日の表題のとおり、全体相場の下ブレ時に、仮に株価が800円割れとなるような局面があれば、長期保有のエントリーとしては「無難」で「妥当」との印象です。

なぜ株価は「停滞」気味なのか？
なぜ大株主に外国人投資家と見られる名前がほとんど見当たらず、外国人保有比率は2.7％と低いのか？
弊社ではその答えも、概ね把握・認識しているつもりで、「今は買えない」と判断しているからこそ、有料推奨銘柄としては採用しませんでした。
ゆえに「今なら」、会員様各位に無料ご紹介しても良かろうと考えた次第です。

会員様各位の「銘柄研究の対象」、「ウォッチ銘柄」のひとつとなれば幸いに存じます。



執筆：木村泰章

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆M&A総研HD（9552）
8月22日付けでグロース市場からプライム市場へ移行する事が発表された事で株価に出尽くし感？
まだまだこれからとの印象ですが。。。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪短期高騰祭りだよ！全員集合！【5倍賞銘柄】≫
一時7％を超える大幅高となりました。
利益確定おめでとうございます♪

◆≪木村のレッドダイヤモンド銘柄-PREMIUM-≫
25日移動平均線を上回る水準をキープして●日目です。
そろそろ株価水準のギャップアップにも期待したいところです。

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