株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2023-09-13 17:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

Tips:貴方様の発注形態にご意見申し上げます

「買いも売りも成り行きで発注する」、という個人投資家様は少なく無いのではないでしょうか?
「買いたい」のだから、「売りたい」のだから、どちらも「価格を気にせず」、成り行きで発注する、というスタンスは、一見、理にかなっているようにも見えます。

しかし、これ、決してお勧めできる執行方法ではないと考えます。

価格を「気にせず」成り行きで売り買いする投資家ほど、日々の「値ブレ」に過ぎないような価格変動を「気にする」傾向が強いって、本末転倒なような気もします。

「この価格で無ければ買わない」、「この価格以下では売らない」という、「おおまかなメド」を示すつもりで、発注形態は売り買い共に「指値」こそが「基本」とお考えください。
「強く買いたい」、「どうしても売りたい」のならば、その「指値」を、買いならば上に、売りならば下にするだけです。

例えば、現値が950円の銘柄を、板付き(売買状況)にもよりますが、1000円の指値で買いに行くと、950円~1000円の間に、買い注文に見合う株数の売り物があれば、当然ながらそこで売買が成立します。
1000円の指値だから、1000円で約定されるわけではありません(寄り前の発注は除く)。
現値より上の指値での買い、現値より下の指値での買いは、「ぼぼ」成り行き売り買いの注文と同等の執行方法とご認識いただいて宜しいでしょう。

しかしながら、成り行きを使うと、場合によっては「気配」を伴って、想定外の高値で約定してしまう可能性が残ります。
私が証券会社勤務時20年ほどの中で、成り行きという発注形態を使ったのは、主に時間的余裕が無いケースだけで、価格は幾らでも良いから約定自体が必要な場合のみです。

大手機関投資家、特に、パッシブ運用で、多数の銘柄をバスケットorインデックス買いするような投資家は、「多数の銘柄をほぼ同時に約定する事」こそが第一義なので、成り行きでの発注を行う事が珍しくありませんが、個人投資家様には、こうした事情とは無関係でしょうから、常に指値での売買こそを「基本」としていただきたいと存じます。

次に、近年では「逆指値」注文をお使いになられる個人投資家様も少なく無いように思います。
いわゆる「ストップロス注文」に該当し、1日中相場をウォッチできない投資家にとっては、確かに便利かもしれません。
利便性には納得できるものの、あくまでも私見ですが、個人的にはこの発注形態もあまりお勧めしたいとは思いません。

相場は「生きもの」としばしば表現されるように、実勢とは異なる「一過性」の動きで価格が形成される事も少なくありません。

例えば、「誤発注」を想定していただければわかりやすいでしょう。
相場の急落をも想定して、逆指値でストップロスの売り注文を出しておいたら、そこにたまたま、間違えて大口の売り注文が出たとしましょう。
逆指値がヒットすれば貴方様の売り注文は自動的に執行されてしまいます。
間違い注文ですので、株価水準は短期間に以前の水準へと「是正」される可能性が高いにもかかわらずです。

そもそも逆指値注文は、現在のポジション(売り買い問わず)を強制的に反対売買して手仕舞う事で、損失を限定する為の注文形態でした。
どちらかと言えば、為替や先物・オプション寄りのトレード手法で、かつ、HFT等の大量の指値発注を瞬時に行うような投資家がしばしば利用する手法です。
言い換えれば、個人投資家様が使用する「必要性」には乏しい印象ですね。

昔ほどあからさまではなくなったものの、ヘッジファンドの一部には、ストップロス注文がトリガー(引き金の意)になると思われるような、テクニカル上の「フシ」を狙って売り仕掛け・買い仕掛けを行い、ストップロス注文によって、下げや上げが過剰に加速する事を狙うようなトレード手法を得意とする人達も居ます。

「損失を限定する」目的だったはずが、ご自身以外の投資家の「利益を拡大する」事に手を貸し、「限定されたとしても」ご自身は結局のところ「実現損」となるだけで、良い事無しのように思う次第です。

トレーディングスキルを向上させる事で、パフォーマンス(投資成果)の拡大にも努めようとなさる会員様各位には、むしろ、「スライス」という「概念」こそをご紹介申し上げたいと存じます。

買う時も売る時も、一度に成り行きで売り買いするのではなく、時間経過と共に発注を「分散」したり、価格帯に応じて指値発注を「分散」させたりしながら、売り買いを完了させるというトレーディング手法です。

例えば、貴方様が、500株の買い付けを予定なさっておられるのなら、まず100株を9時半に買って、10時半、12時半、13時半、14時半と、5回に分けて買うというような「スライス」が妥当と考えます。
売る時も、例えば、月曜から金曜まで、毎日100株ずつ、大引け間際の14時50分に売る、というスタンスも宜しいでしょう。

こうしたトレーディングの「コツや秘訣」は、今後もコラムやYouTube等で随時ご紹介してゆくつもりです。
億男W、カヲル、私と、長きにわたり外資系証券会社でトレーディング業務に携わった経験を持つ人員を擁している投資助言会社は、あすなろだけであろうと自負しております。

是非、ご参考になさってください。



執筆:木村泰章

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 個人的に注目している銘柄
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◆リファインバースG(7375)
産業廃棄物の再資源化リサイクルで合成樹脂を製造販売しています。
業績拡大中である一方、株価は売られ過ぎと見ます。

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 私のコラムで紹介した銘柄
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◆ギグワークス(2375)
複数回にわたってご紹介しましたが、その度に、今は未だ買えないという印象でした。
足元の業績推移からは今なお買えないと捉えており、2日連続のストップ高は明らかに過剰反応と見ます。

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 単発スポット銘柄の見解
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◆≪チャンピオンキング・テンバガー銘柄≫
終値ベースでも「フシ」を上回ってまいりました。
明日も楽しみです。

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