株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

(一社) 人工知能学会:18801(公社)日本証券アナリスト協会:01159

あすなろ投資顧問

2023-09-16 09:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

ウサギとカメの競争の<裏教訓>は株式投資にも当てはまる(かも)

従来、ウサギとカメの競争から得られる教訓は「能力があっても油断すると負けてしまう=油断大敵」と、「能力が劣っていても努力を続ければ勝てる=継続は力なり」とされる事が一般的でした。

2000年以降くらいを境にインターネット環境の整備が進み、続いて個人の意見や主張をも覗き見れるような、ブログやメルマガやフェイスブックやツイッター(X)が一般的になるにつれ、このウサギとカメの競争の教訓には、もっと深い教訓が隠れているのではないかという意見が、しばしば指摘されるようになりました。

それらの指摘は概ね、「ウサギはカメに勝てば良いと思っている=カメに勝つ事が目標」。
さらには、「カメはとにかくゴールする為に努力する=ゴールする事が目標」。
つまり、この競争から得られる<裏教訓>は、
【目標設定の明確化が勝利への第一歩】
【目標達成に対する意識継続が勝利につながる】
【目標達成までやり抜く事が勝利を産む】
ではなかろうか、との意見が多いように思います。

一般的な教訓の、「油断大敵」も「継続は力なり」も、株式投資のお取り組みにはもちろん大事な「概念」だと思います。
一方で、<裏教訓>の3点は、より現実的な「姿勢・スタンス」とも言えるかもしれません。

一概には言えませんし、やや乱暴なこじつけですが、「カメ=歩みは遅い=バリュー株」vs「ウサギ=跳ねたら速い=グロース株」と仮定しましょう。
今現在の株式市場では、カメ=バリュー株こそがジワジワと歩みを続けて高値を追っている印象です。
一方で、ウサギ=グロース株はお休みモードとの印象。
中小型成長株群全般は、お休みモードなので出来高も盛り上がらず、継続上昇がなかなか示現しません。

会員様各位がお乗りなっているのは、概ね「ウサギの背中=中小型成長株・グロース株群」かと存じます。
ウサギがお休みモードだと、皆様がやきもきなさって動かしたいと思っても、なかなか動いてくれません。
では今から、ウサギ⇒カメに乗り換えましょうか?

いいえ。
カメにとっての目標は「ゴールに到達する事」であったように、バリュー株投資の「目標設定」は「インカムゲイン」を目指す安定運用と言えましょう。
ウサギにとっての目標は「勝ち」なので、中小型成長株・グロース株投資の「目標設定」は「キャピタルゲイン=値上がり益」となります。
ウサギからカメに乗り換えてしまうと、値上がり益の追求という「目標」から逸脱してしまう恐れがあります。

となると、会員様各位におかれましては、ウサギの背中に乗ったまま、カメ的な上掲3点の<裏教訓>姿勢・スタンスを意識していただく事が宜しいものと考えます。

【目標設定はキャピタルゲイン=値上がり益の追求】
【値上がり益が追及できそうなウサギに乗り中小型成長株・グロース株投資に挑み続ける意思を強く持つ】
【仮にウサギがお休みモードであっても、目先の動きにつられてカメに乗り換える事などを考えず、中小型成長株・グロース株投資をメインとする】

「ウサギは跳ねたら速い」事を想定しての「先行投資」ですから、お休みモード中にウサギの背中から降りてしまったら、この先に訪れるであろう大幅上昇局面によるキャピタルゲインを取り逃がしてしまいます。
今は、中小型成長株群全般の保有ポジションはHOLDのまま、この先「跳ねる」事をお待ちいただきたいと存じます。



執筆:木村泰章

無料新着記事

記事一覧へ