プライム⇒スタンダード移行の続報
8月末現在で104社。
9月の「駆け込み」も続いており、弊社の集計では9月に申請を行った企業は40社超にのぼります。
9月末までが期限となっている再選択申請は、最終的に150社をも超える可能性が出てきました。
そんな状況下で、本日は「想定外」と思われるような再選択申請が3件(15時半現在)見られました事を、会員様各位にいち早くお伝え申し上げます。
・千趣会(8165)
・ゴールドクレスト(8871)
・前澤給装工業(6485)
この3社に共通しているのは、いずれも、プライム市場の上場維持基準を全ての項目においてクリアしているにもかかわらず、スタンダード市場の再選択申請を行った点です。
いずれも、「どちらの市場を選択することが株主をはじめとするステークホルダーの期待に応える選択であるか」を考慮した結果、と説明していますが、この点をポジティブ視すべきか、逆に将来性に関する自信希薄と見てネガティブ視すべきか、判断が難しいところです。
既にスタンダード再選択申請を発表した企業群の株価推移は、概ね「悪影響は限定的」との印象ですが、まだ予断を許しません。
再選択申請は今月末までですが、実際に市場変更が行われるのは10月20日である為、向こう1か月ほどの間は依然としてスタンダード市場再選択組の株価推移は「不確定要素」が意識されやすいものと考えます。
一方で、プライム残留が確実視されはじめた「当落ライン上の企業群」に関しては、「再評価」的な買いが向かっている/向かう可能性があると見ます。
例えば、2月末時点でプライム市場の上場維持基準を一部充たしていなかったDDグループ(3073)は、業績見通しの上方修正が発表された7月半ば以降も上昇トレンドが継続していましたが、その中には、プライム残留の可能性が高まっていると見た投資家による「再評価」の買いも含まれていたものと見ます。
上掲の3社のように、プライム市場の上場維持基準を全ての項目においてクリアしていても、「安全策」としてスタンダード市場の再選択申請を行う企業が、来週も駆け込み的に続く可能性もあり、市場変更による「不確実性」に対する警戒感は向こう1か月ほどくすぶり続けるものと見ます。
9月いっぱいでリスクが去るわけでは無い、という点をご留意いただきたいと存じます。
従前から申し上げてきましたとおり、こうしたリスクイベントの影響を受けにくいという点からも、中小型成長株群こそが有利という見解に変更はありません。
日銀の金融政策決定会合の結果待ちであった本日の午前中の段階から、マザーズ指数は早々にプラス転換して、個別の中小型成長株群の値動きもしっかりでした。
来週もこの流れが継続するものと期待しております。
執筆:木村泰章
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