貴方様が今日でもできる事:期待リターンを試算するクセを付けましょう
今のところ、日経平均の中間配当に相当する額は224円程度ですので、配当落ちとなる28日の日経平均は、配当落ち分「だけでも」224円下落する事が想定されます。
中間、期末の、配当権利付き最終日の直前になると、会員様各位からの「配当を貰うべきか否か」というお問い合わせの数が増大します。
例えば、こんな感じです。
「川崎汽船株を4500円で200株持っているけれど、このまま継続保有して配当を貰うべきか、それとも配当権利付き最終日までに利益確定すべきか?」
川崎汽船の今期の配当計画は、中間期末に100円、本決算期末にも100円で、年間で200円となっています。
200株保有なさっているのであれば、200株X100円で2万円が中間期末配当として受け取れます。
では、本日から明日までの間に株価は100円上昇する可能性は無いでしょうか?
本日前場の川崎汽船の安値/高値は5266円/5365円と、およそ100円ほどの値幅となっています。
例えば、本日の前場終値である5293円で100株を追加購入して、そのまま持っていれば追加で1万円の配当が受け取れる事になりますが、仮に明日、株価が5393円以上に上昇する場面があれば、そこで売却しても値上がり益が1万円受け取れる事になります。(手数料・諸税は考慮せず)
もちろん、株価形成に影響を及ぼすのは「配当狙いの買い」だけではなく、全体相場のセンチメントや、セクター内/他セクターとの相対比較等、様々な要因が絡み合ってくるわけですが、一般的な理論としては、「配当権利付き最終売買日に向けて株価は上昇しやすく」、そこを狙って利益確定すれば、配当を受け取る以上の値上がり益を享受できるケースもままあるわけです。
川崎汽船の「配当を貰うか否か」にお悩みになるのであれば、まずは、「明らかに配当を上回るであろう株価水準に売りを出しておく」事をご提言申し上げます。
例えば、9月15日の終値5406円と比較して、およそ200円高水準に相当する5600円に売りを指しておけば、9月19日には約定したハズで、9月15日の時点で配当取りを決断して、保有株をそのまま期末まで継続保有しても、200株X100円で2万円しかもらえないところを、5600円で売却できれば、200株X200円で4万円もらえるわけですから、手数料や諸税を考慮してもお得でありましょう。
つまり、配当を受け取るか否かの判断は、「配当を貰う際の期待リターン」と「値上がり益の期待リターン」を、会員様各位でざっくり試算していただき、期待する値上がり益が狙えそうな株価水準に指値売りを出しておき、売れればラッキー、売れなければ配当を貰う事を選択する、というスタンスが「無難」で「妥当」であろうかと存じます。
こんな対処が今や「セオリー」視されているので、中間配当のある銘柄群の株価は、配当権利付き最終日よりも数日前に高値を付ける傾向が見られます。
上述の川崎汽船の直近の高値は9月20日、同セクターの商船三井の高値は9月21日です。
ただ、今なお配当取り狙いで継続保有しておられるとしても、川崎汽船の本日の前場終値5293円からおよそ200円上の、5493円に売り指値をしておけば、本日から明日にかけて、売却が叶う可能性はゼロではありません。
「ダメもと」でトライなさる価値はあるように思います。
もちろん、ご自身のポートフォリオのうち、どの銘柄に中間配当があるのかを調べる事が大前提である事は申し上げるまでもありません。
Good Luck!
執筆:木村泰章
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