日本化学産業（4094）※次回決算発表：11月上旬予定

大型のバリュー株は利食い売りに押され、調整局面と見られる。拾いづらい局面だろう。そして中小型バリュー株の一部にも再び物色が再開してきたように思える。同社は金属をベースとした有機・無期化合物を製造開発する化学メーカー。また同事業のノウハウを活用した建材事業も展開。時価総額は300億円以下で、PBRは0.51倍、EV/EBITDA倍率は1.15倍の小型バリュー株の範ちゅうに入るだろう。足元で急伸してきたグロース株と共に、同株のような一部の小型バリュー株にも資金流入が期待できると見る。
※指標の数値は執筆時の水準

8/4発表の1Q決算における経常利益は7.24億円で、対会社予想進捗率は24.5％とまずまずであったが、通期が減益予想ゆえ、進捗率は高めに出て欲しかった。今後はクルマのEV化により、二次電池用正極材の受託加工分野は大いに増益が期待できそうだ。電子部品向けの在庫調整が一巡すれば、正極材向けが今後は業績を牽引していくだろう。AI(xenoBrain)の評価はB+。営業利益予測成長率(5年)は21.49％と業界中央値の-3.17％と比べると突出している。

同社は住宅建設資材メーカーに属し、AIが分析をしたことから、リチウムイオン二次電池の需要を取り込むことができる同社の成長性が高い予測になったのであろう。株価は8/23の安値1030円をボトムに上昇。節目1100円でややもみ合ったものの、直近では同節目の値固めが完了したようで、今後は次の節目にトライしよう。9/26-10/4にかけての下落で、ローソク足は軒並み上ヒゲが示現していたことから、高値圏での売り物も消化が進んでいるものと見られ、需給改善による株高が期待できそうだ。