いわゆる「プラットフォーマー」と目される、予約や決済をシステム的に仲介・支援する企業の、「姿勢」と「責任感」が問われています。
ブッキング・ドットコムによる、宿泊施設への支払い遅延問題です。

単に支払い遅延が遅延している事に対する「苦情」だけでは無く、支払い遅延の原因に関する「説明責任」や対応の拙さが、賠償責任を追及する提訴にまで発展した背景であろうと推察されます。

プラットフォーマーとして「大手」だから「安心」という思い込みもあるし、「大手」だからこそビジネス的に「敵対したくない」と考え、結局のところ「泣き寝入り」せざるを得ない、中小の宿泊施設経営者も少なく無いものと思われ、実態は報道等で伝えられている以上に深刻化しているのかもしれません。

ブッキング・ドットコムに限らず、今や宿泊施設の予約には多数の選択肢が存在し、更にその比較サイトも多数存在するという状況だからこそ、「大手」の存在感こそが増し、「少しでも安く」「少しでもお得に」宿泊したい消費者は「大手」こそを利用したいと考えがちな事も、ある程度理にかなった行動であろうとは思います。

私の知人の1人に、とある東北地方の、100年以上続く温泉宿の跡継ぎが居ます。
実際に何度か宿泊させていただき、ご主人からも直接お話を伺う機会がありました。
いわく、直接予約以外、大手旅行会社経由でも、検索サイト経由でも予約は受け付けていないとの事。

その理由は、ご常連さんこそに真摯に向き合いたいし、そもそも、お客さんが集中してしまってサービスが雑になるような事は絶対に避けたいから、受け入れ体制の「身の丈に合った規模」での「事業継続」に努めたいとの事でした。
これぞ、究極のSDGsでしょうし、これぞ、サービス業の基本姿勢であろうと感服した次第です。

今回のブッキング・ドットコムを受けて、久々にWeb上で検索してみましたが、相変わらず予約サイトからのアクセス手段は無く、自分なりの「秘密の隠れ家」は、今なお変わらず健在である事を知って大いに安心した次第です。

8年ほど前に、米国の有名な国立公園を訪れた際に宿泊した1棟ロッジには、テレビどころかWi-Fiのアクセスさえありませんでした。
いわく、大自然の中で、その自然と不便利さこそを楽しんで貰いたいから、との事。
娘はロッジの横の広場を横切って小川に水を飲みに来た小鹿に出くわし、ひざ下くらいまで川に浸かったまま感動していましたっけ。。。
いわゆる、これこそが「プライスレス」なのだろうと思います。

宿泊施設も、プラットフォーマーも、私達消費者や利用者も、必要以上に「飽くなき利益追求」ばかりを目指してしまうと、いろんなところに「歪み」が生まれてしまい、むしろ自身が「不利益を被る」可能性さえあるのではないかと考えます。

今回のブッキング・ドットコム問題は、サービスの提供者も、サービスの利用者も、「身の丈をわきまえる」という認識こそが求められるという、教訓のひとつこそを示しているような気さえしています。
ブッキング・ドットコム問題で、売れる/買える銘柄があるかを「思惑先行」で探してみる前に、ブッキング・ドットコム問題をキッカケにして、ご自身の投資理念や投資方針の再確認をしていただく事こそが、重要であるのかもしれません。



執筆：木村泰章

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　個人的に注目している銘柄
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◆オープンドア（3926）
◆ニフティライフスタイル（4262）
◆tripla（5136）
◆旅工房（6548）
宿泊先の検索や予約に関わるプラットフォーマーには、「大手」ではなく「特色」という面での差別化に期待したいと思います。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村の一粒万倍銘柄≫
◆≪木村のギャラクシーダイヤモンド銘柄≫
◆≪木村のレッドダイヤモンド銘柄-PREMIUM-≫
◆≪木村のプラチナメソッド銘柄【逆襲】≫
いずれの銘柄についても本日の下落はやむ無し、かつ、個別要因によるものでは無く、あくまでも、中小型成長株群全般に対する、投げ売りムードによるものと見ます。
過度にご心配いただく必要無しと見ます、とお伝え申し上げます。