アクリート（4395）※決算発表予定日 2023/11/14

ＳＭＳ（ショートメールサービス）配信事業で有名。最近では、ふだんのコミュニケーションツールとしては使われなくなったものの、通信の安定性等からＳＭＳは見直されつつあるように思える。社員同時や顧客との迅速なメッセージ、災害時の安否確認等、採用できる範囲は今後もさらに広がりそうだ。同サービスのパイオニアを自負するアクリート株に注目したい。また、セキュリティ面に強い点も多くの企業から受け入れられている証左であろう。今後はこれにＡＩ（人工知能）を組み合わせた付加価値の向上が、業績向上のカギと見る。

今通期の売上高は過去最高記録（前期：61.90億円）を上回る77.84億円の見通し。ただ、価格競争力を高めるため、配信単価下落が進行していることが営業減益の要因の一つと見られる。顧客基盤をさらに固めるための一時的な施策ならば問題なしと思えるが、一度下げた後に再び価格を上げる交渉にはやはり付加価値の向上が求められるだろう。また人的投資で販管費が増えているようだ。ヒトへの投資でサービスのクオリティーが中長期的に高まることを想定すれば、ある程度の減益は市場からもそれほど悪材料とはみなされないだろう。

株価は昨年12月に高値4130円を付ける。同年１月安値の915円からおよそ４.５倍に。その後、節目の1000円付近まで売られた後はリバウンドを演じてみせたが、再び調整入り。金利上昇に伴うグロース指数の下落が主因と見られる。足元では徐々に値を戻しつつあり、本格的な挽回に期待したい。日足一目均衡表では抵抗帯（雲）を突破。薄い雲でテクニカル的な好転度は低いと思われるが、上方シグナルは持続すると見る。遅行スパンは実線の上を推移しており、当面強い買い方スタンスが続くだろう。ファンダメンタルズ面の改善と併せて仕込み処を探ろう。