日本化薬（4272）

半導体用材料樹脂や、ジェネリック抗がん剤等を手掛ける。中期経営計画では、半導体・MEMS（集積デバイス）用材料に経営資源を集中させる。他には、バイオシミラー（バイオ後続品）、祖業の火薬技術を活かしたインフレータなど将来事業規模の拡大を目論む分野が幅広く、夢が広がる。長期的な成長業界と見るモビリティーや半導体製造装置業界への製品展開を進めることで、有望テーマ株としての人気に火が付いても不思議ではないだろう。

今期の売上高は過去最高記録を塗り替える計画。しかしながら、同社のような化学メーカーは原材料高騰の影響を最も受けやすい業界の一つであり、営業利益は大幅減益の見通しだ。またライフサイエンス事業にて、ライセンス契約締結にともなう一時金の支払いにより、約61億円の営業減益要因になっている様子。通期の業績予想値には既に織り込み済みと思われるが、この減益要因を除いても営業利益水準は低く、やはり利益率の高い部門に資金を集中投下するか、価格改定を進めるしかないだろう。

株価は200日移動平均線を起点に上昇トレンド。調整を交えながらも下値水準を切りあげており、需給面に特段問題は無さそうだ。足元の株価は節目1400円付近で膠着しており、動意付きには何かしらのきっかけが必要となろう。最近ではAI企業の子会社と生成AIプラットフォームの実証実験に向けたトライアルを開始するとのことであり、再び生成AIというテーマに人気が戻れば、この膠着状態から脱却できるかもしれない。11/27の高値1423.5円を抜けてきたタイミングでインするのも一考だ。