AOKIホールディングス（8214）

紳士服大手。リモートワークが増えスーツ需要は減ったと見えたが、対面でのコミュニケーションの大切さが再確認され――確かに実際に会って相手の空気感を把握できるのは対面ならではである――最近は出勤する人が増えたように思う。こういった風潮に伴い、再びスーツ需要は回復してくるであろう。しかしスーツは着るのに時間がかかるし、動きづらい。そこで、同社の「パジャマスーツ」だ。カッチリ見えるけど、楽に着られ、動きやすいとのこと。他にネットカフェの「快活CLUB」を運営。一部のリモートワークやオンライン授業需要が掴めれば良い収益源になりそうだ。

業績はV字回復基調。新型コロナが流行した2021年3月期の営業損益は約57億円の赤字。しかしながら、上述したようにオフィス回帰の動きが見られ今期は同130億円黒字の見通しだ。概ねコロナショック前の水準まで復調する見込み。営業CFは2022年3月期から170億円台と儲けが急速に回復。前期の投資CFは-30億円と大規模な投資が見られるものの、フリーCFには余裕が見られる。キャッシュは遡れる2000年3月期から最高水準であり、これを株主に還元する施策が講じられれば株高の材料となろう。

株価は2022年3月に安値503円まで売られた。ただ、コロナ感染終息に伴い徐々に株価は戻しており、足元では2倍以上の1200円台。11/9に発表した中間決算における経常利益が前期比2.1倍の水準となり、また通期業績予想及び配当予想の上方修正も同時に発表されたことが好感され株価水準を押し上げた。上昇ピッチが加速しているため、高値警戒感に注意しながら仕込み処を探るのが無難だろう。