フジミインコーポレーテッド（5384）

半導体基板向けの精密研磨材を手掛ける。3つのコア技術として、「ろ過・分級・精製技術」「パウダー技術」「ケミカル技術」がある。分子レベルでの加工が可能であり、ナノ単位でのサイズを競う半導体市場において、同社の技術は欠かせないものになりそうだ。今年の1月には米資産運用大手（キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント）の大量保有が確認されており（5%ルール報告書）、また6月には保有割合が増加したしたことも確認されている（同）。今後も海外投資家勢からの大量資金流入に期待したい。彼らが好む指標の一つ、ROEは執筆時点で15％を超えており、バリュエーション面及びニッチな技術を評価した彼らからの見直し買いが見込まれよう。

11/2には中間決算を発表。経常利益は前期比46.6%減と厳しい結果で着地。同時に業績予想の下方修正を発表しており、通期の同利益予想値は127億円から76.50億円にDOWN。会社側は、上期まで半導体市場が低迷していたことから、通期でもこのトレンドが続くと見ているようだ。確かにスマホやPC向けは各国・地域における景気後退から需要減退が想定されるものの、付加価値向上にむけたIoTやAIを活用した産業設備投資は特に国内やインドを中心としたグローバル・サウスにおいては隆盛を窮めるであろうし、この見通しは少々保守的なのではないかと感じられる。

株価は会社側の保守的な見通しが反映される形で調整基調。足元では一番下にあった200日移動平均線をも割り込み、節目2800円弱で弱い自律反発が見られる。執筆時のローソク足では200日線まで上ヒゲが伸びており、同線が抵抗線として機能していることがうかがえる。恐らく目先は上値の重いかつ甘めな展開が想定されるであろうが、冒頭に記した通り米キャピタルの大量保有増加が明らかになっており、「値ごろ感」を意識した大量資金流入によるリバウンドが発生しても不思議ではないだろう。