前田工繊（7821）

建設・土木資材や自動車用ホイールを手掛ける。同社は失敗を恐れることのないベンチャー精神がコアにあり、このスピリットを基にした多角化経営を行っている。同社のフィールドは社会インフラ、不動産やクルマ等幅広く、それぞれの分野で需要が高まれば、事業ニーズが高まることで、安定的な売上が計上できるであろう。海外投資家が好むROE（自己資本利益率）は12.40％（執筆時点）。今後も堅調な業績で同水準の向上が見込まれ、今度は資本の効率利用が期待される。海外投資家の大量マネー流入期待及び、資本政策による株価上昇が早晩起こってもおかしくはないだろう。

今期の経常利益予想は90億円と小幅増益の見通しではあるが、アナリストコンセンサスは101億円。市場関係者は同社の予想を保守的に見ているようだ。筆者も同様に感じており、内閣官房の資料によると、大規模な国土強靭化関連補正予算が計上されている。激甚化する災害対応や、高度経済成長期に建設したインフラの改修ニーズを踏まえると、同社の事業環境は良好と考える。ゆえに業績予想値は保守的に見積もった公算が大きく、業績予想の上方修正が行われても不思議ではないと思う。

株価は9/15を起点に10/26まで調整。2816円まで売られた後はリバウンドを演じており、11/14発表の1Q決算が好感され200日移動平均線付近まで上昇。期待感は同線までと見られたのか、足元では再び調整からの自律反発が見られ、再び同線を意識した動きをしている。足元では出来高が急増しており、需給は悪くないと思われる。テクニカルのMACDもゴールデンクロスが示現しており、200日線付近の3100円まで急上昇するような動きを予見させる。