ハウスコム（3275）

不動産仲介。同ビジネスは大手が有利な環境にあり、同社は業界大手かつ規模を活かしたシステム投資により、更なる競争力の向上が見込まれる。また、同業大手他社とは違って「仲介専業」なため、多くの管理物件の取り扱いが可能かつ広範囲に敷かれた直営店チャネルからの新サービスの展開が、顧客から選ばれる理由の一つになるだろう。このように投資費用がかさむ傾向があるため、前期の投資CFは前々期から急増。しかしながらキャッシュは豊富で、大量保有者である光通信がハウスコムの親会社（大東建託）含め、今後更に買い増してくれば、株主還元のために何らかの施策を提案してくる思惑が浮かぶ。実際に11/29には自社株買いに関するIRを発表済みだ。

今期の売上高は過去最高記録（2022年3月期：142.06億円）を更新する見通し。10/30発表の中間決算における売上高は前期比で小幅減収となったが、これは会計上の問題が大きいと見られる。前期は繁忙期の3月分を含んだ連結子会社（大阪ハウスコム株式会社）の営業収益が計上されていたものの、今期は同月分を含んでいないようだ。しかしながら、小幅減収という形で着地してみせた点で、前期より事業環境や企業の実力が向上しているのではないかと考えられる。前期と比べ、DX化による効率化などが寄与したのであろう。

株価は100日移動平均線が抵抗線として意識されるような動きが散見される。10/31をボトムとしたリバウンドも、同線付近で抑えられ、節目850円を起点とした反発も同線付近で上昇頭打ち。高値圏にシコリ玉が未だ多く顕在していることが考えられる。例えば9/27には高値970円を付けており、ここで高値掴みした投資家による戻り待ちの売りや日柄調整による売り物の消化により、徐々に100日移動平均線を捉える格好になってくれば、仕込み時と考えても良いかもしれない。