イフジ産業（2924）

液卵メーカー。総務省発表の11月における消費者物価指数（東京都区部）では、鶏卵が25.3％の上昇。鶏卵は生活必需品であり、家計にも値上がりは甘受されやすい傾向が見られ、原材料価格上昇による価格改定が進めば業績向上が見込まれる。同社は造語「タマゴテック」という卵の可能性に目を付けた様々な技術も開発しており、卵殻膜を活用した美容や医療市場の開拓が期待される。現時点での配当利回りは2.60％、ROEは14％と指標面は良好と見る。新規事業の見通しを具体的に示すことができれば、海外投資家勢からのマネー流入も期待できよう。

業績面では11/9に中間決算を発表。営業利益は12.20億円（前期比82.6％増）と好調。1Q決算と同時に発表した上方修正による修正予想の12.03億円を上回り、通期の17.98億円に対する進捗率もかなり高い状況だ。やはり販売価格改定効果が大きいと見られる。鶏卵需給が急速に緩和される見込みも現時点では不透明であり、今後も同じような事業環境が続くことで、今期の業績向上期待感は大きいだろう。配当金も10円増配しておりインカムゲイン目的の中長期保有資金の流入が見込まれる。

株価はおよそ2カ月間のもみ合い商状を経て、上掲の中間決算後に大幅下落。1Q決算発表と同時に業績及び配当予想の上方修正が織り込まれていたこともあり、好材料出尽くしと見られ短期筋に売りを招いた感じも見受けられる。11/10には200円ほどのマドを開けており、出来高も急増（約17万株）。足元では200日移動平均線から1400円弱のレンジで推移しているが、株価上昇には日柄調整による売り物の消化が必須と見る。あるいは3Q決算で相当のサプライズがなければ、更に売られ需給が悪化するかもしれない点は注意が必要だろう。逆に言えば、サプライズがあるとむしろ急上昇するかもしれない。短期的には25日移動平均線を突破したところを仕込み処として意識するのがベターと見る。