遠州トラック（9057）

総合物流。3PLという物流事業のアウトソーシングも展開。配達員の残業規制で長時間運送（労働）が難しくなる見通しの中、同社は経営戦略にて「中継輸送」「共同配送」を戦略商品の核としており、先を見据えたこの戦略は評価したい。また、これだけでは残業規制に対応するのは難しいかもしれない。DXの推進による物流施設の効率化が課題になってこう。同社もここを課題と見ているようで、省人化や自動配送システム全社展開等、物流サービスのイノベーションに挑戦する姿は眩しい。株価の流動性にやや懸念はあるものの、先ほど説明した戦略が市場に評価されてくれば、流動性の向上に伴う「市場の鞍替え」「株価上昇」が期待できるかもしれない。

11/9発表の中間決算における経常利益の対会社予想進捗率は48.3％とまずまず。燃料費の高止まり、人手不足がネックとなった模様だが、細かいサービスを準備していたため、宅配や飲料等、また輸送機器向けの部品配送の需要を取り込めた様子。同時に業績予想を下方修正しており、やや厳しい状況に立たされているようだ。恐らく人手不足及び残業規制に対応するための投資が要因と考えられ、当面事業環境が厳しい状況は続きそうだ。むしろ、悪材料は当面出尽くしたと見られ、筆者はポジティヴに見ている。

AI予測では、通期の経常利益は26.80億円で着地する見通し（中間決算までは実績値を採用）。会社側は25.50億円（修正前は31.50億円）の計画であり、人材の供給増というイベントが発生すればAI予測値～前回発表前の水準での着地が期待できそうだ。株価は値動きが荒い。9/21に高値2487円を付けた後は10/4に2362円まで急落。中間決算発表後は一時2360円まで売られたものの、その後はリバウンドに勢いが付き2434円まで戻してみせた。今後の決算期待を織り込んだ形と言えよう。足元では200日移動平均線が抵抗線として意識されており、ここを「着実に」クリアしたタイミングを狙ってみよう。