カナモト（9678）

建設機械のレンタル事業を行う。国内の建設需要を想定してみると、特に九州地方が強いと考えられる。台湾の半導体ファウンドリTSMC（台湾積体電路製造）における設備投資が、同建設予定地周辺にも様々な商業を喚起しているからだ。また、首都圏の都市再開発プロジェクトや、新幹線延伸工事等、今後も建機需要は高い水準で推移するだろう。従って、同社の引き合いが強まり、業績向上ひいては株価上昇が狙えると読む。バリュエーションはPBR0.73倍（執筆時点）といわゆる「PBR1倍割れ」に当たり、こういったバリュー株を狙う投資家には垂涎ものであろう。

12/8には本決算を発表済み。経常利益は会社計画値を0.7％上回った。重要なのは今期の業績予想であり、同利益は前期比14.5％増の143億円の見通し。アナリストコンセンサスもほぼ同じ位置にあり、今期は堅調推移が予想されている状況と見られる。先ほど述べた国内の旺盛な設備投資がこれを裏付けている可能性が高く、筆者もこのシナリオを支持する。地政学的リスク如何によっては、建設資材高が想定されるため、業績予想が上方修正されるかもしれない。期待を持ちながら今後の業績推移を監視したいところ。

株価は10/24の安値である2284円を起点に上昇基調。200日移動平均線が概ね下値メドとして意識されているようで、同線をクッションに強くリバウンドした格好だ。12/1に発表された業績予想の下方修正（前期）は悪材料出尽くしと見られたのか、株価に対する悪い影響は見られず、むしろ動意付きの材料を与えたように思える。上掲の12/8発表の本決算及び自社株買いの実施の発表などが好感され、12/12には高値2910円まで上昇。達成感や短期筋の売りから足元では売り物が出ているが、節目2700円付近で自律反発を確認。今期は増益予想であることが分かったし、目先はバリュー感や好業績を期待したマネーの流入が期待できるだろう。