コーセル（6905）

直流安定化電源装置を手掛ける。主に半導体デバイスに使用されるため、交流電力（AC）を安定した直流電力（DC）へ変換することには非常に精密性が求められるだろう。この電力等の変換（スイッチング）技術こそ、コーセルの核技術と思われる。この技術を利用したスイッチング電源は、産業用機器にも用途が広がり、設備投資が活発である昨今においては受注増が期待できるだろう。PBRは執筆時点で1.02倍と解散価値を上回ってきている。資本の効率的な活用による株価上昇の材料発生に期待したい。

会社側による今期の業績予想は、経常利益が73.01億円（前期比38.5％増）の見通し。過去最高は2007年5月期の68.41億円であり、今期計画を達成することができれば、初の70億円台と3桁億円台が現実的に迫ってくる。12/20発表の中間決算における同利益は48.98億円と前期の2倍以上で着地。半導体の在庫調整という不利な環境の中、受注を上手く消化することができたのであろう。ゆえに受注残はユニット電源を中心に減少しているが、受注高の減少が懸念される。今後のアジア地域を含めた営業活動で受注高を増やし、将来的な売上に繋げたいところ。

株価は12/20の決算発表を受けて急反発。執筆時は節目1300円を抜けたが、12/20の大陰線（出来高も急増）を吸収しなければ、9月高値である1400円を抜けることは難儀であろう。12/21も株価はそれなりに高値水準、出来高も高水準のため、日柄調整により売り物を消化することが肝要と見る。つまり焦って買うのではなく、様子見姿勢を貫きつつ、格好の買い場を探るというスタンスが賢明なのではないかと考える。日足の一目均衡表では遅行スパンが実線をプラスかい離しており買い方優勢スタンスは続こう。戻り売りによる下落の耐久力も高いと見ることができるだろう。