株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2024-01-27 09:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

証券会社選びの際のご参考基準:Part2/2 SOR注文デフォルト設定でリスクはほぼ無し

Part1/2ではPTSやダークプール等が誕生し、取引所間で価格の差異が生じるようになり、投資家にとって「最良執行」が行えるよう、SORという概念が生まれた、とのお話をご紹介しました。

「おさらい」&補足となりますが、
「PTS」は、金融商品取引法施行令第26条の2の2第7項に規定される「私設取引システム」に該当し、
「ダークプール」は、金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の2第7項に規定される「社内取引システム」に該当します。

PTS=時間外取引と「誤認」なさられている個人投資家様は少なく無いように思いますが、これで違いがハッキリご理解いただけた事でしょう。

今現在、国内で、個人投資家層もアクセス・売買可能なPTSは、「ジャパンネクストPTS」の第1市場(J-Market)および第2市場(X-Market)、Cboe(旧チャイエックス)、大阪デジタルエクスチェンジ株式会社が運営するODXの4市場。
個人投資家層もアクセス・売買可能なダークプールは、モルガン・スタンレーMUFG証券のダークプールであるMSプールのみ、との認識が一般的でありましょう。

上掲のPTSやダークプールへのアクセスは、証券会社のSOR発注を経由した「自動回送先」と認識すべきで、証券会社によって、どのPTSを回送先としているかについては、微妙に異なります。

あくまでも「弊社調べ」の域を出ませんが、今現在、個人投資家層向けにSOR発注を取り入れていると目される国内の証券会社は下記のとおりです。
加えて、MSプールへのアクセスはauカブコム証券経由のみである模様です。
・SBI証券
・楽天証券
・マネックス証券
・auカブコム証券
・GMOクリック証券

SOR発注が可能な証券会社では、SOR発注こそが初期表示やデフォルト設定となっているケースが多く、であれば、注文ごとにSOR発注を個別選択する必要が無いわけですが、となると、「ホントにSOR発注で良いのかしら?」との不安を感じてしまう会員様もいらっしゃるかもしれません。
なにか、想定外のデメリット等、リスクは無いのでしょうか?

唯一(と申し上げて宜しいでしょう)、予めご認識いただく必要がある事は、
SOR発注は、貴方様にとって、最も有利な価格条件での約定を目指して、自動的に「最良執行」されるわけですが、注文受付時間と、注文約定時間の僅かなタイムラグによって、気配状況等が異なる場合があり、「結果的に」必ずしも最良とならない約定となる可能性がある、という点でしょう。

利用している証券会社によっては、通常の注文よりもSOR注文の方が高い手数料がかかる可能性もありますが、一般的には、PTSやダークプールでの約定時の手数料は、東証における約定時の手数料よりも安い設定となっている事が多く、事前に当該証券会社でご確認いただければ安心でしょう。

SOR発注には、成行注文か指値注文だけで、その他の執行条件付き注文(逆指値など)は発注できませんが、個人的には、上掲のようなタイムラグによる「非最良」執行という結果を避ける為にも、成行注文は避け、指値注文のみで発注を行う「クセ」を付けていただくべき、と考えます。
現値が1000円の時に成行注文で買いを入れるのではなく、1100円の指値注文の買いを、同様に、成行注文で売りを入れたいのであれば、代わりに900円の指値注文の売りを入れるように致しましょう。

最後に、SOR発注の回送先がPTS市場であれば、最良執行の結果として信頼できましょうが、会員様各位自らがPTS市場を指定して売買発注を行う事は極力避けるべきであろうと存じます。

今なお、あくまでも、「優先市場」は東証です。
決算発表を受けて、東証の取引時間外に、PTSで売買を行う際には、常に「非最良」の執行となるリスクが潜んでいる、という事をご認識ください。

まとめましょう。
「お使いの証券会社がSOR発注に対応しているならば、常にSOR発注こそを選択する」
「タイムラグによる非最良執行という結果を避ける為にも、常に指値での発注を心掛ける」
「SORがPTSを選択した場合以外、ご自身ではPTSを選択しての売買は控えるべき」

以上、ご参考となりましたら幸いに存じます。



執筆:木村泰章

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