株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2024-01-29 17:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

半導体関連銘柄群の株価下ブレリスクに注意

弊社では、半導体関連全般をはじめ、主力級大型株群の本格的な株価上昇局面は、早くても各企業の来期見通しが示される5月連休明け以降、と見ています。
これは、足元及び先行き3か月ほどの間の、大企業製造業の景況感に改善傾向が見られない為です。

今週は主力級大型株群にも決算発表を行う企業が多く、特に31日(水)に決算発表を予定している企業は300社超に及びます。
市場が特に注目していると思われるのが、半導体関連の代表格と目される下記3社です。
あくまでも個人的見解ですが、決算発表数値では無く、決算発表通過後の株価の方向性を、現時点で推察して見ます。

・30日(火):ソシオネクスト(6526)3Q決算
 上期(4-9月)の連結経常利益は前年同期比66.3%増の204億円に拡大し、通期の同利益は225億円から290億円(前期は234億円)に上方修正されています。
 この動きが継続している事が3Q決算でも確認されれば、株価の方向性は上と見ますが、テクニカル面からは3500円以上の水準では戻り待ち売りが優勢となる可能性アリ、と見ます。

・31日(水):アドバンテスト(6857)3Q決算
 上期の連結最終利益は前年同期比63.6%減の259億円と大きく落ち込み、通期の同利益は780億円から600億円(前期は1304億円)に下方修正されています。
 どのような決算数値が示されても、株価は一旦アタマ打ち感が強まって、一過性の動きながらも、5000円どころまで下落調整する可能性アリ、と見ます。

・31日(水):レーザーテック(6920)
 今期1Q(7-9月)の連結経常利益は前年同期比18.3%増の109億円に伸び、通期計画の640億円に対する進捗率は17.1%となっています。
 期待先行の買いで株価上昇が続いてきただけに、どのような決算数値が出ようとも、材料出尽くし感こそが意識されやすい局面、と見ます。

個人的に、半導体関連銘柄群には株価下ブレリスクが意識されると推察する根拠は、既に決算発表を終えた下記3社の決算発表数値と先行き見通し、及び決算発表後の株価推移が芳しく無い為です。

・インテル
 前期4Q(10-12月)決算では、売上高が前年同期比10%増、調整後EPSが同3.6倍となり、いずれも市場予想を上回りました。
 ゲーミングPCおよび企業向けPCの好調持続を背景に、CCG(クライアント・コンピューティング部門)が好調だった一方、
サーバCPU市場の縮小や競争圧力の高まりなどからDCAI(データセンター・AI部門)は 同10%減収、同38%営業減益でした。
 今期1Q(1-3月)のガイダンスのレンジ中間値は、売上高:127億ドル、調整後EPS:0.1 3ドルと、事前の市場予想(142.5億ドル、0.34ドル)を大幅に下回り、決算発表後の時間外取引では、同社株価は25日終値比11%安と急落しました。

・ASML
 前期4Q(10-12月)決算では、売上高が前年同期比13%増、EPSが同13%増となり、いずれも市場予想を上回りました。
 今期1Q(1-3月)のガイダンスは、売上高:50.0~55.0億ユーロ、粗利益率:48~49%と、いずれも事前の市場予想(62.3億ユーロ、50.9%)を下回りました。

・信越化学(4063):
 1月26日の取引終了後に今期3Q(4-12月)決算が発表されました。
 連結経常利益は前年同期比25.3%減の6157億円となりましたが、通期計画の7600億円に対する進捗率は81%に達しています。
 在庫評価減という特殊要因が発生した事により営業利益が下ブレし、それを除けば大きなサプライズはないとの見方が支配的な模様ですが、据え置かれた通期ベースの営業利益は7000億円で、これは前期比で29.9%減水準に相当します。
 株価は6000円手前でアタマを抑えられる形で、一時的には5500円割れとなる事も意識されやすいものと見ます。

半導体市況の底入れは、当初、昨年の10月~12月と目されていましたが、それがジャスト3か月後ろ倒しとなったイメージと申し上げて宜しいでしょう。
今年の後半には、本格的な上昇局面が期待される事から、期待先行気味に買われてきましたが、「やや早過ぎる」との印象が否めないように思います。

むしろ、昨年後半のリスクオフムードの反動からの、アク抜け感こそが意識されやすい、非製造業・サービス業、中でも情報・通信関連全般、DX/AI/Saas/データ解析/クラウドなどの関連銘柄群の【逆襲】シナリオの方が、向こう3か月ほどは期待されうるものと考えます。

半導体関連銘柄群よりも、上記のような情報・通信セクターの中小型成長株群にこそ投資妙味アリとの見解に変更無しです。
バリューよりもグロース、大型株群よりも中小型株群こそを、広く薄く保有して、中小型成長株群全般の底上げの波に乗ってゆく事こそを狙ってまいりましょう。



執筆:木村泰章

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 個人的に注目している銘柄
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◆ソーバル(2186)
◆エクストリーム(6033)
◆エスユーエス(6554)
◆HCH(7361)
◆アイビス(9343)
製造業だけでなく、人手不足解消の為に、DX関連と並び技術者派遣関連銘柄の【逆襲】にも注目したいと存じます。

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 私のコラムで紹介した銘柄
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◆ポラリスHD(3010)
1/11ご紹介。
2週間ちょっとで100円上昇しましたから、ここから上は利益確定を優先するスタンスが宜しいでしょう。

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 単発スポット銘柄の見解
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◆≪裏道王道銘柄【頂】≫
想定どおりの動きで、出来高の増加を伴って株価は上昇してきました。
フォローメールをご確認ください。
決算発表前の利確もイケそうな印象です。

◆≪デジタルジャイアント銘柄 [復刻版]≫
上記銘柄とも関連性の高いコチラも、テクニカル面の妙味から「大幅上昇目前」と見ます。

◆≪木村のギャラクシーダイヤモンド銘柄≫
コチラも出来高が急増中です。
大幅高で75日移動平均線を上回ってまいりました。
決算発表までこの動きが継続する事に期待致しましょう。

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