ニプロ（8086）

医療器具メーカー。主力の「医療機器事業」、「医薬事業」、「ファーマパッケージング事業」「再生医療事業」と4つの事業を展開。医療機器は、透析患者用のチューブなどや、循環器用医療機器として薬剤溶出バルーン、また外科用として植込み型補助人工心臓『HeartMate3』などが特に売れ行きが良い模様だ。医薬品では胃潰瘍、逆流性食道炎に使われる『ネキシウム』（ジェネリック医薬品）などが有名。これらの事業から得られる収益を、将来性有望な「再生医薬事業」へ投下することで、新たなニーズの掘り起こしによる好材料の発生及び株価の上昇に期待したい。

今期の通期業績予想（売上高）は約5992億4000万円と、過去最高記録であった前期の5451億9900万円を更新する見通し。『HeartMate3』が好調に売れているほか、医薬機器の価格改定が増収に響いているようだ。またネキシウムカプセルが59の大学病院本院で採用されるなど、3Qは概ね堅調なようだ。全製品では糖尿病関連製品の売上が前の期比で23.6％増と健闘。巣ごもり消費で生活習慣病患者が増えた影響だろう。xenoBrain（AI）の総合評価は「B+」と展望良好。「糖尿病患者数増加」といった社会トレンドが利益の成長ドライバーと分析しているようだ。

週足で株価を見ると、昨年6月安値987円をボトムに上昇トレンドは紆余曲折ありながらも継続し、ことし2月には1289円まで買われた。日足では、2/8に上髭大陽線が示現も調整入り。サポートラインの25日線付近で強いリバウンドが発生し、マドを開け節目の1300円をうかがう展開だ。一目均衡表では雲の上を推移。転換線と基準線の乖離（かいり）幅が拡大してきており、短期的な株価の上昇が意識されてきた。まずは節目1250円上での推移がキープできるか、見守っておくのが良かろう。